滋賀県愛知郡にある「愛荘町立歴史文化博物館」で12月13日(日)まで「紙製品への思い-国誉の礎とコクヨの現在-」が開催中。
日本で既成紙製品が登場したのは、外国から洋紙や既製品を輸入し、洋式帳簿として販売し始めた明治初期と言われている。しかしながら、明治末期になっても一般の会社や商店では「大福帳」などのように、束ねた和紙に厚めの表紙を付けてこよりで綴っただけの帳面が使われていた。
1905年(明治38年)、黒田善太郎(1879年-1966年)は、コクヨ株式会社の前身「黒田表紙店」を起業し、1913年(大正2年)には洋式帳簿の既製品化を開始。大正時代になり、経営の近代化とともに洋式帳簿が急速に普及する。
工夫を好む黒田の企業家精神により改良が重ねられた様々な紙製品は、時代を超えて優良な品質を求める多くの人々に受け入れられている。そして「国誉(コクヨ)」の商標名どおり、黒田の郷里である越中富山、ひいては日本の誉れとして評価され、今日に至る文房具やオフィス家具、事務機器の製造販売に代表される「コクヨブランド」の礎が築き上げられた。
本展では、コクヨ創業期から1954年(昭和29年)の紙製品製造業確立期に至る資料や製品を全4章に分けて展示し、日本の紙製品製造史の一端に触れるとともに、愛荘町上蚊野にある地域や環境に貢献する株式会社コクヨ工業滋賀の紙製品(モノづくり)を紹介する。また、11月29日(日)には学芸員による展示解説も実施される。
文房具好きには見逃せないコクヨの歴史がわかる「紙製品への思い-国誉の礎とコクヨの現在-」に出かけよう。
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