
駅を利用する人や近所の子供たちなど「誰でも気軽にピアノ演奏が楽しめる」と人気を集める京都駅ビルの「駅ピアノ」。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月から利用を中止していたが、10月7日より感染拡大防止策を講じたうえで、再開された。
「ストリートピアノは根強い人気があり、コロナ禍で利用を中止して以降も、頻繁にインフォメーションへ再開を求める声やお問い合わせが多数ありました」と話すのは、京都駅ビル開発株式会社、文化・観光プロモーション課のスタッフ。
■京都駅ビルある「駅ピアノ」とは?
京都駅ビルに「駅ピアノ」が初めて設置されたのは2019年10月のこと。スタッフに、設置のいきさつを聞いてみた。
「ストリートピアノが注目され、京都駅ビルでも…と考えていたところ、縁あって『一般社団法人まほろば 芸術ラボ』さんが寄贈してくださることになったんです。ピアノ教室でたくさんの子どもたちと、音楽を奏でてきたグランドピアノ。『多くの人が行きかう駅という場所で、より多くの人の手によって音楽を奏で、たくさんの人々の笑顔の源になってほしい』という願いが込められていました」
また、今でも特に印象に残っている演奏について聞いたところ、心が温かくなるエピソードを教えてくれた。
「小学生くらいの娘さんとお母さんが連弾をされていたところ、音色を聴いて人が集まり演奏後に大きな拍手を受けていました。とてもうれしそうな娘さんを見て、ほのぼのとした気持ちになったことを覚えています」
当初は「京都駅西口広場」に設置されていたが、同年12月に比較的静かな「7階東広場」にピアノを移設。不定期に「駅ピアノ」を開放していた。
■設置場所「7階東広場」ってどんなところ?
JR京都駅中央改札前にある「西口広場」とは異なり、「7階東広場」はわざわざ足を延ばす必要がある場所。
「西口広場に比べてギャラリーが少ないのですが、そのぶん物怖じせずにひいていただけます。グランドピアノを大空間でひける貴重な場所になります。発表会の練習にもぴったりですので、ぜひお気軽にご利用ください。ここでは、駅ビルにお散歩に来られた保育園の先生が駅ピアノを演奏して、園児の皆さんが合唱するという微笑ましい光景も見られたりします」
■京都駅ビルのイルミネーションも再開!
京都駅ビルでは、5月から中止していたイルミネーションを10月3日から再開した。17時から22時まで、東広場をはじめ空中径路や大階段などでさまざまな光の演出が楽しめる。
「今年度は新しい取り組みとして、ブルーで統一したコンテンツを3か所に追加しました。ブルーは心を落ち着かせる色で、コロナ禍で不安になっている社会に平穏をもたらしたいという願いと、青空を見上げて明るい未来に前進するというメッセージを込めています。また、世界的に行われている『医療従事者の方への感謝』をしめるブルーライトアップの意味も含んでいます」
■ピアノ&イルミでコロナ禍でも明るい気持ちに!
「まだまだ慎重に感染対策を実施していかなければなりませんが、長期間のコロナ禍によって、さまざまな制限のなか過ごしてこられた皆さまが、少しでも楽しい気持ちでピアノに向き合ってくださるとうれしく思います。駅ピアノの利用時間は19時までですが、ピアノと共にイルミネーションもお楽しみくださいね」
感染拡大防止のため、駅ピアノを利用する際には下記感染防止対策への協力を。
●各自マスクの着用
●ピアノに触れる前後、十分な手洗いと設置しているアルコール消毒液で手指の消毒
●表示に従って演奏者、観覧者の距離を確保
●連弾やほかの楽器・歌との合同演奏の禁止
●体調がすぐれない場合・発熱などの症状がある場合の利用禁止
取材・文=吉田英子
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。