
小佐渡の中央に並んでそびえる男神山(標高497.9メートル)と女神山(標高593.3メートル)には佐渡の稲作の祖といわれる「三助・お菊」が祀られてる。その南側の傾斜にある紅葉山では10月中旬から11月中旬にかけて紅葉の見頃を迎える。
室町時代の能役者・世阿弥が「金島書」の中で「ここは、みやこにてもききし名どころなれば、山はいかでか紅葉しぬらんと夏山かへでのわくらばまでも、心あるさまにおもひそめてき」と、その紅葉の見事さを詠むなど、紅葉山は古くから佐渡一の紅葉の名所として親しまれている。
また、佐渡国の始耕・稲作りを教えた三助・お菊の伝説は、各地に残っている有名な伝記のひとつ。土佐国(高知県)の永楽又兵衛という農夫の倅(息子)だった三助は継母にいじめられて佐渡へ流され、三助の実母は悲しみ、三助の遠流に先だって、籾三升に鍬・鎌を持たせた。佐渡に着いた三助はやがて能登の国から流されたお菊という女性に多田の浜でめぐり逢い、二人は夫婦となり三助のもってきた籾をまいて稲を育て、これが佐渡の稲作の稲作の始まりいわれている。
「三助・お菊」が祀られた小佐渡の中央に並んでそびえる男神山と女神山は、その南斜面一帯が紅葉の名所として知られ、紅葉山公園へと連なる。公園には散策しながら鑑賞できる遊歩道や展望台もあり、毎年10月の最終日曜には、芸能鑑賞や秋らしい企画を盛り込んだ「紅葉山まつり」も開催される。
佐渡の伝説も残る紅葉山に、素晴らしい紅葉を見に出かけよう。
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