観光庁は、国内旅行の需要を喚起する「Go To トラベルキャンペーン」事業を7月22日から実施すると発表した。同事業は、期間中の国内旅行代金の最大50%が還元される国の政策。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響でダメージを受けた地域経済の再活性化を目的に企画された。
割引となる旅行商品は、「宿泊プラン」「宿泊と交通機関のセットプラン」「日帰りプラン」で、旅行代金の最大50%を還元。1人1泊2万円(日帰りは1万円)の上限はあるものの、連泊、利用回数ともに制限なく使える大型のキャンペーンとなる(予約済みの7月22日以降の旅行に関しては、旅行後の申請で割引分が還付される)。
とはいえ、いまいち分からない"Go To…"。押さえておきたいポイントを分かりやすく解説しよう!
■Go Toトラベルキャンペーンって何?
「Go Toトラベルキャンペーン」は、飲食や旅行などの消費喚起を促す国の政策で、1兆6794億円の補正予算が組まれた「Go To キャンペーン」の内のひとつ。国内旅行を対象に、国が旅行代金を支援することで、需要喚起を狙う。
■回数制限なしで旅行代金の最大50%を支援する国の事業
「Go To トラベルキャンペーン」は、キャンペーン期間中の旅行代金のうち、50%相当分の割引やクーポンなどが付与される。支援は1人1泊あたり最大2万円(日帰りは1万円)で、連泊や利用回数に制限はなく、期間中何度でも有効。
支援額のうち7割程度は旅行代金の割引に、残り3割程度は旅行先で使える地域共通クーポンとなる。
■宿泊・日帰りOK!対象となる旅行商品
「Go To トラベルキャンペーン」の対象は、旅行代理店などが販売するツアー商品、宿泊施設への直接予約、宿泊予約サイトで販売する宿泊プランなど。日本国内居住者なら誰でも利用でき、訪日外国人旅行者は対象外。
日本国内への旅行のうち、「宿泊のみ」「宿泊と交通機関のセット」「日帰り」プランが含まれる。
「宿泊と交通機関のセット」商品の場合は、交通機関も割引対象となる。「日帰り」プランは、往復の交通機関と“旅行先での消費となる食事や観光体験等”がセットになっている商品が対象だ。観光庁では例として「旅行先でのランチ」や「いちご狩り」などをあげている。
そのほか、クルーズや夜行フェリー、寝台列車も「宿泊に準ずるもの」としてキャンペーンの対象になる。
一方、マイカーでの高速道路料金や、個人で手配する航空券や鉄道などの交通機関は支援の対象外。キャンペーンに対応している事業者(旅行代理店や宿泊施設など)を通さない旅行には使えないので、注意が必要だ。
■実際にどのくらいお得になるのか?
「Go To トラベルキャンペーン」の具体的な利用イメージとして、1人で1泊2万円の温泉旅館に宿泊した場合を考えてみよう。
この場合、支援額は旅行代金の50%の1万円となり、内訳は7000円の旅行代金割引と、3000円の地域共通クーポンとなる。つまり旅行者が実際に支払う金額は1万3000円で、地域共通のクーポン3000円分が受け取れる。
支援の上限額が1人1泊2万円までのため、上記のケースでは仮に5連泊で10万円かかったとしても、合計5万円分(代金の50%)の満額支援が受けられる。
一方、1人で1泊10万円の旅行代金・宿泊代金がかかるプランでは、5万円の還元とはならず、支援額上限の2万円の還元となる。
この場合の支援額の内訳は旅行代金割引1万4000円と、地域共通クーポン6000円分だ。上限設定は1泊あたりの金額であることに注意しよう。
■家族旅行や団体旅行の場合は?
個人旅行のほか、家族旅行や団体旅行のいずれもキャンペーンの対象。対象となる旅行商品や条件は個人旅行と同じで、1泊上限2万円の支援が“人数分”適用される。
修学旅行や社員旅行など、旅行会社に依頼したオリジナルツアーなどのプランも対象だ。
■地域共通クーポンはどこで使える?
「地域共通クーポン」は、旅行先の交通機関のほか、土産物店、飲食店、観光施設、アクティビティなどの加盟店で利用できる。
クーポンが使える「地域共通クーポン加盟店」は、地域によって異なり、現在各地の観光協会や観光地域づくり法人(DMO)・商工会などを通じて、店舗の参加・登録を呼びかけている。
クーポンは旅行代理店や宿泊施設で配布。現在のところ「紙媒体の商品券」と「電子媒体のクーポン」を想定しており、額面は1枚1000円。お釣りは出ない。
■実施期間はいつから?
観光庁では、「Go Toトラベルキャンペーン」の実施期間を2020年7月22日からと発表。
キャンペーンの開始前に予約した旅行商品についても、旅行日程が7月22日以降であれば対象となる。
※この記事の内容は7月13日時点のものです。情報が発表され次第、更新していきます。