乾燥する季節になりましたね。「ボディクリームを塗っても肌の乾燥がなかなか改善されない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。乾燥は、さまざまな肌トラブルを招きやすいです。スキンケアだけではなく、身体の内側から肌をうるおしていきましょう。
薬膳のプロである筆者が、身体の内側から肌をうるおす食材についてご紹介します。
薬膳の基本の考えとなっている中医学(中国伝統医学)の世界で示す「肺(はい)」という臓腑は、免疫系や肌と密接に関わっていると考えます。ですので、肺が弱ると免疫力の低下や疲労を感じやすくなります。また、肌も乾燥しやすく、美容面にも悪影響を与える場合があります。
肺は乾燥を苦手としますので、必然的に秋冬は肺が弱りやすいです。なので、この季節はいつもより肺を労わることが必要です。
肺を労わるためには、”白い食材”を食べましょう。例えば、「山芋」「梨」「松の実」「れんこん」「白きくらげ」などです。このなかでも、れんこんは料理のバリエーションが広いので、普段から食べるという方も多いと思います。
れんこんは、身体にうるおいを与えるほかにもさまざまな働きが期待できます。れんこんの効能と、一緒に組み合わせると良い食材をご紹介します。
れんこんは、身体に必要な水分を補う作用が期待できます。身体に必要な水分がなくなると、ほてりや喉の渇き、便秘などの不調を招くこともあります。
つやプ世代の皆様は中医学的に見るとうるおいが減りやすい傾向にある年齢ですので、うるおいを与えてくれるれんこんは積極的に摂取したいですね。その他、肺をうるおす効果も期待できるので、身体の内側からうるおいのある肌に導くことができます。
白ごまや豚肉と合わせるとうるおい効果がアップするといわれています。れんこんと豚肉を味噌ベースで炒めて仕上げに白ごまをかけた一品を、ぜひいただいてください。
れんこんは胃腸の粘膜を保護する働きもあるので、胃腸の調子が良くない時にもおすすめです。例年よりは飲み会が少なくなるといっても、これからの季節はお酒の席が普段より多くなるかもしれません。食欲不振、胃のむかつきを感じる時にも味方になってくれる食材です。
胃腸が弱い時はれんこんをすりおろして、鍋やスープに入れた方が消化に負担をかけません。少し身体を冷やす性質があるので、お腹を温める生姜と組みあわせると良いでしょう。
れんこんの絞り汁は喉の炎症をおさえたり咳を静めるといわれ、昔から飲まれてきたものです。喉の痛みや咳をしている時は乾燥していたり炎症が起きている場合があるのですが、れんこんには余分な熱をとるクールダウン作用とうるおす効果が期待できます。
炎症がある場合、温めると余計に症状を感じる場合があるので、大根などのクールダウン食材を組み合わせてスープにすると良いでしょう。れんこんとりんごをすりおろして蜂蜜を加え、お湯でといたドリンクもおすすめです。
普段、何気なく食べている「れんこん」は、乾燥する秋冬にぴったりな食材です。スーパーで見かけたらカゴに入れて、今夜のおかずの一品に加えてみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
【関連記事】
・朝の一杯で体ポカポカ!1分で作れる出汁なしで美味しい味噌汁
・乾燥が免疫力低下を招く!?体の内側から乾燥をケアする食材
・糖質オフの味方!美肌&風邪対策に役立つカリフラワーの魅力
・リラックスタイムのお茶で綺麗に!無印良品の「体が喜ぶお茶」