サイト内
ウェブ

新型コロナ対策 列車の窓開けは真夏も継続? 熱中症の時期 空調と換気の使い分けは

  • 2020年6月23日
  • 乗りものニュース

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、密閉空間になりうる鉄道車両では、窓を開け外気を取り入れることでその対策をしています。夏は冷房が効きにくくなることも懸念されますが、どう対応するのでしょうか。

窓開けのみでも、通勤形車両は5〜6分で空気が入れ替わる

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除されて早4週間、徐々にではありますが、鉄道には通勤客の姿も戻ってきました。時差通勤など「新しい生活様式」を踏まえた通勤スタイルも始まっていますが、どれもこれも皆にとって初めての試みです。

 今後、列車の運行において問題になってくるのが、特に7月から8月にかけての、酷暑のなかでの換気でしょう。3密のうち「密閉」を回避するため、現在、窓を開けて走行している列車も多く見られますが、真夏となれば窓を閉めたほうが冷気を保てて涼しいはず。いったい、どうするのが正解なのでしょうか。

 鉄道総合技術研究所が2020年6月5日(金)に発表した「窓開け等による車内換気効果に関する数値シミュレーション(試算)」によれば、同所が開発した空気流シミュレーターで、「標準的な通勤型車両(速度約70km/h)において、窓を10cm程度開けて走行した場合、車内の空気は概ね5〜6分程度で入れ替わる」とされました。さらに換気量は、窓の開いている面積と列車の速度に比例していることもシミュレーションから読み取れた模様です。

「ウィズコロナ」の夏 窓開けを決めた鉄道事業者も

 またシミュレーションでは、「窓開けに加えて、車内の空調装置を併用した場合や駅でのドア開放時においては、換気がさらに促進」するとのことなので、現在も行われている、車両の排気ファンでの換気も効果がありそうです。

「ウィズコロナ」の世のなかであれば尚更、窓を開けての列車運行もスタンダードになってくるのかもしれません。鉄道総合技術研究所は今後、車内の空調機を併用した際の換気効果や車内混雑度の影響も調査していくそうなので、混雑時における換気についても効果を知ることができそうです。

 窓開けが車内換気に多少なりとも効果がありそうなことは分かりましたが、やはり窓を開けっぱなしにすることで冷房が効かなくなれば、不快に感じるほか、熱中症のリスクも考えられます。

 ただ、すでに夏場も窓開けを励行していくと決めている事業者もあるようです。また、新しい車両だと、車内の温度や湿度を自動で感知して冷房が入り、適温への調節がなされます。

 反対に、古い車両は車掌が手動調節することもあります。通常でも、特急などの停車駅数が少ない車両では、体感的な冷房の効き具合や、混雑状況や天候により刻々と変わる車内の条件を見極めながら、車掌がこれを調整しています。

「窓開け」普段から臨機応変も ホームページなどで基準を周知

 本来、窓開けについても統一したルールがあれば、その通りやるのが良いのでしょうが、普段からその場での臨機応変な対応が求められているので、この夏は車掌の腕がより試されることになりそうです。

 過去には、茨城県ひたちなか市を走るひたちなか海浜鉄道で、「あえて真夏に冷房のない車両を運用して、懐かしい旅情を楽しむ」という、非冷房を逆手に取った企画が行われたことがありました。車内には栓抜きが設置され、瓶のコーラを開けて飲んだり、窓からの風を受けながら外の景色を楽しんだりするイベントでしたが、毎日の通勤となれば話は別です。

 公益財団法人「日本生産性本部」の調査によれば、「新型コロナウイルス感染拡大終息後もテレワークを続けたい」と回答した人が6割を超えました。今回の騒動で通勤電車の課題が顕在化しましたが、仮に冷房が効かない通勤電車に乗らなければならないとなると、さらにテレワークをしたい人が増加するかもしれません。

 多くの事業者が、ホームページやポスターなどで窓開けを呼びかけているとはいえ、当然、明確に規定することは難しく、乗客の判断で窓の開け閉めが行われることが想像できます。

 いまでも大雨のときなどは、状況を見て乗客が窓を閉めています。ただ、鉄道側からの基準さえ示しておけば、それをもとに行動できるので、「開ける、開けない」のトラブル回避にはつながるかもしれません。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright © 2020 mediavague Co., ltd.