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「走る喫煙所」大変身「走るPCR検査場」へ バス改造 新型コロナ検査拡充につながるか

  • 2020年6月10日
  • 乗りものニュース

浜松の自動車関連企業が、バスを改造した「走るPCR検査場」を開発し、すでに稼働しています。もともと「走る喫煙所」として開発されたものを応用し、医療従事者の安全を確保するというこのバス、どのような仕組みなのでしょうか。

ドクターゾーンと患者ゾーンの空気を完全遮断

 静岡県浜松市を拠点にクルマの買い取り事業などを手掛けるビッグウェーブホールディングスが、バスを改造し「走るPCR検査場」ともいえる車両を開発、2020年5月下旬からウォークスルー型のPCR検査場として、東京都府中市の多摩総合医療センターで稼働しています。

 この「移動式医療バス」は、バス車内にアクリル板の仕切りを設け、車内前方を医療従事者が作業するドクターゾーン、後方を患者ゾーンに分離、医療従事者はアクリル板に空けられた穴から手を出して処置を行います。

 さらに、車内に一定の空気の流れを作り出し、ドクターゾーンを陽圧、患者ゾーンを陰圧状態にすることで、両空間の空気を完全に分けることが可能とのこと。患者ゾーンの空気は排気口へ吸引され、フィルターでろ過、クリーンな空気を車外へ排出するそうです。また、車内には2台のミスト噴霧器が装備され、用途にあった消毒剤などを噴霧することも可能だといいます。

 最前線で働く医療従事者が新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減することができれば、という思いで開発したものだといいますが、医療用ではない用途として開発したバスを、さらに応用して制作したものです。それは、医療とは正反対ともいえる「喫煙所」としての用途でした。

「走る喫煙所」から発展「走る医療現場」に 実現のワケ

 移動式医療バスは、ビッグウェーブホールディングスが2018年に開発した移動式喫煙所「分煙マナーバス」が原型で、車内で吸ったタバコの煙を吸い込み、ろ過して排出する技術を応用したものだといいます。なお、もちろん移動式医療バスは新車です。

 分煙マナーバスは、おもにイベントやスポーツの場に出動しており、「東京オリンピック・パラリンピック」会場においても設置予定だったそうです。しかし、新型コロナウイルスの影響により、こうした予定はことごとくキャンセルに。そこで、このバスの仕組みを医療用に応用することを考え、喫煙所として稼働実績のあった府中市に提案したところ、「ぜひ使ってみたい」との依頼を受け、今回、府中市および国立市、国分寺市、小金井市の医師会が4都市合同のPCR検査場として活用することになったのだといいます。

 ビッグウェーブホールディングスによると、医療従事者からの評判は非常によいとのこと。多摩総合医療センターでは、この車両を使ったウォークスルー方式のPCR検査のほか、仮設テントに被験者のクルマを進入させ、クルマに乗ったまま行うドライブスルー方式も並行して実施されているものの、後者では医師が車内に顔を乗り出して検査するようなケースもあり、危険を感じる場面もあるのだそうです。

「PCR検査の現場を見てきてわかりましたが、医療側も手探りで行っています。それだけでなく、検査する医師に対する保障もしっかりしていないことが、PCR検査が遅々として進まない要因だと思います。この先、PCR検査が長く行われていくことを考えても、医療従事者の協力が不可欠で、そのためには、まず安全安心な設備が必要でしょう」(ビッグウェーブホールディングス)

 移動式医療バスは現在のところ、多摩総合医療センターで稼働中の1台のみですが、ビッグウェーブホールディングスは、要望があればさらに台数を増やすとしています。

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