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ブルーインパルスの「知られざる裏方装備」 パイロットの妙技を支えるチームプレイ

  • 2020年3月28日
  • 乗りものニュース

1964年の「東京オリンピック」も1998年の「長野オリンピック」も、開会式には航空自衛隊のブルーインパルスが飛行しました。ハレの日を彩る飛行には、もちろんそれを支える舞台裏が。長野大会での事例を見ていきます。

一大イベントでミスしないための徹底的な支援態勢

 航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」は、オリンピックやラグビーワールドカップの開会式など、国民的行事においてその妙技を披露してきました。

 そのハレの日の舞台を彩る飛行の舞台裏には、何百人もの自衛隊員の支援があります。

 たとえば1998(平成10)年2月7日に行われた「長野オリンピック」の開会式では、航空自衛隊がブルーインパルスの飛行を、地上と空の両面からバックアップしました。

 手始めに、開会式の会場上空へ正確に進入できるよう、その脇に「移動式タカン装置TRN-501」が設置されました。これは「戦術航法装置」と呼ばれるもので、航空機を電波で誘導するものです。航空機の側では、方位と距離の測定を同時に行うことができます。

 1998(平成10)年当時、TRN-501は航空自衛隊にまだ数セットしかない新装備でしたが、ブルーインパルス支援のために実任務に就きました。

ブルーインパルスの妙技に見えない支えあり

「長野オリンピック」開会式に向けブルーインパルスは、ホームベースの松島基地(宮城県東松島市)から浜松基地(浜松市西区)へ2日前に移動し、開会式当日はそこから長野市に向けて飛び立ちました。

 当日の天候は浜松市も長野市も晴れでしたが、飛行ルートの空模様も、ブルーインパルスのパイロットはじめ地上の関係者が把握できるよう、「携帯気象観測装置(TACMET)」とそれを操作する気象隊分遣班が各所に配置されました。

 また会場上空6000mには、青森県三沢基地から飛来したE-2C早期警戒機が、周辺空域の監視と無線連絡網をコントロールするために飛行していました。

 このように、のべ数百人におよぶ隊員たちが、ブルーインパルスの演技を成功させるために支援体制を構築していたのです。長野市の会場の上を飛ぶのは約10秒ですが、開会式は天皇皇后両陛下(当時)ご臨席のもと、国内外の要人が参列するなか、全世界に向けてリアルタイムで放映されます。

 ベートーヴェン作曲の交響曲第9番、通称「第九」の演奏・合唱が終わると同時に、聖火台方向からブルーインパルスが5色のスモークを引いて現れる、そのタイミングを外すわけにはいかないため、万全の態勢がとられました。

 実際、開会式は進行とともに予定より押していき、ブルーインパルスの出番の際には約4分遅れで進んでいました。その時間差を待機時間と会場上空までの飛行速度で調節し、見事「第九」の演奏・合唱終了に合わせたのです。

 2021年に延期が発表された「東京オリンピック」開会式のときも、ブルーインパルスの飛行を支援するために、様々な隊員が各所で任務に就くことでしょう。まさに隠れた支援があるからこそ、成功に万全を期することができるのです。

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