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大型イベント相次ぐ中止 新型コロナ対策はあるのか? シンガポールエアショーの場合

  • 2020年2月26日
  • 乗りものニュース

新型コロナウイルスによる感染症の世界的流行を受け、各地で大型イベントの取りやめが相次ぎました。そうしたなか、シンガポールでは2年に1度の大規模なエアショーが開催され、入念な感染症対策が実施されました。

新型コロナウイルスの流行で大型イベントが次々中止になるなか……

 2019年12月に中国で発生以来、「2019年新型コロナウイルス」による感染症は世界的拡散を続けており、2020年2月末の時点では終息する気配が見えていません。

 この事態を受けて日本国内では、感染症の拡大を助長するおそれのある大規模イベントの中止や延期が相次いでおり、乗りもの関連のイベントでも、3月5日からの開催を予定していた「ジャパンインターナショナルボートショー2020」の開催中止が2月19日(水)に決定されています。また3月24日と25日の両日にタイのバンコクで開催が予定されていた、テロ対策やサイバーセキュリティ関連技術の総合展示会「IDSEF2020」の開催期間が2020年10月に変更されています。

 加藤勝信 厚生労働大臣は2月20日(木)に、大規模イベントの開催の必要性を改めて検討するよう呼びかけを行なっています。このような措置を行なっているのは日本だけではなく、シンガポール政府も大規模イベント開催の中止と延期を勧告していますが、にもかかわらず2年に一度開催されるアジア最大級の航空宇宙防衛イベント「シンガポールエアショー2020」は、当初の予定どおり2月11日(火)から16日(日)まで開催されました。

大手企業も参加取りやめ相次いだ2020年の「シンガポールエアショー」

 シンガポールではショー開催直前の2月9日(日)の時点で、2019年新型コロナウイルスの感染者が確認されていました。

 これを受け、フランス航空宇宙工業会(GIFAS)などは自国企業に対して「シンガポールエアショー」への社員の出張見合わせを勧告していたほか、大手企業のなかにもシンガポールへの不要不急の出張を自粛する動きが見られ、その結果、アメリカのロッキード・マーチン、カナダのボンバルディア、イタリアのレオナルドといった大手企業が直前に参加をキャンセルしています。またシンガポール政府が同国在住者以外の中国人について入国を禁止したことから、中国商用飛機など中国企業12社も参加を取りやめています。

 このためエアショーへ参加する企業の数は、当初予定されていた約1000社から80社程度減少しており、会場内には企業の参加見合わせによって生じた「空き地」や、アメリカのベルのように展示を行なわずスタッフがいるだけの企業ブースや、レオナルドのように展示品もなく社員もいない企業ブースがあちこちで見受けられました。

 航空機の展示でも、韓国空軍やインドネシア空軍が直前に参加を見合わせたため、デモフライト、地上展示とも、2018年の前回に比べてかなり寂しいものとなりました。

 2月23日(土)の時点で、「シンガポールエアショー」を主催するエクスペリア・イベンツはショーの来場者数を発表していませんが、2月17日(月)の日本経済新聞は業界関係者向けのトレードデイの来場者が、2018年の約5万4000人から約3万人に減少したと報じています。またトレードデイ期間中に大きな商談成立の発表もありませんでした。

 その一方2月23日の時点で、「シンガポールエアショー」の来場者に新型コロナウイルスの感染は確認されておらず、ショーの成否はともかく少なくともコロナウイルスの感染拡大に関しては、いまのところ防ぐことに成功したといえるかもしれません。

新型コロナウイルスどう対策? 「シンガポールエアショー」の場合

 現時点で「シンガポールエアショー」の来場者からコロナウイルスの感染者が現れていないのは、ショー主催者の徹底した来場者のチェック体制によるものなのではないかと、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は感じました。

 ショーの会場であるチャンギ・エキシビションセンターへの交通手段は、自家用車かタクシー、あるいは大規模展示会場「シンガポール・エキスポ」から出るシャトルバスの3つがあり、大多数の来場者はシャトルバスを利用します。

 ショーの主催者はシャトルバス利用者のために、シンガポール・エキスポの建物のひとつを借り切り、そこで利用者の体温を測って、問題の無い利用者には平熱であることを証明するシールを渡し、そのシールを付けている利用者のみがシャトルバスに乗車できる仕組みとなっていました。

 またバスには1台1台に識別番号が与えられており、利用者にその番号をスマホなどで控えて一定期間、保管し、万が一発熱などの症状が発生した場合にはバス識別番号とともに報告するよう求めていました。こうすることで、シャトルバスの利用者から発症者が発生していないかを確認するとともに、感染ルートの特定が困難にならないよう備えておくというわけです。

 会場入り口の前にもエアテントを設けて、そこで来場者の体温を測っており、問題の無い来場者だけがその先の入り口に進める仕組みでした。タクシーや自家用車を利用してやってきた来場者は、ここで体調をチェックされ、入場可能を意味するシールが渡されて、入場口に進めるという仕組みです。

 筆者が会場内で、視察に訪れていた日本航空宇宙工業会(SJAC)の幹部に話を聞いたところ、今回の「シンガポールエアショー」で主催者が行なった対策は、非常に参考になったと話していました。

 国民の安全を確保しつつ、開催中止による経済的な損失を最小限に抑えるために「シンガポールエアショー」の主催者が行なった対策は、「東京オリンピック・パラリンピック」を控えた日本にとって、学ぶべきところが大いにあるのではないかと筆者は思います。

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