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意外と広い海自P-1哨戒機のコックピットを眺める 時には戦う飛行機、その特徴は?

  • 2019年6月30日
  • 乗りものニュース

飛行機のコックピットとひと口に言っても、その機の用途によってやはり大きく異なるものです。海上自衛隊が運用するP-1哨戒機のコックピットはけっこう広いのですが、そこには課せられた任務の特性も関係しています。

操縦席にはカップホルダーも

 飛行機の「コックピット」――そこはいつの時代も子どもたちのあこがれであり、誰しも一度はコックピットで働いてみたいと願ったことがあるのではないでしょうか。今回、筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)は、海上自衛隊厚木航空基地(神奈川県)の第4航空群第3航空隊に配備されている哨戒機P-1を取材、その「機能美」に迫りました。

 飛行機の役割は様々であり、それを制御するコックピットは固有の特徴をもっています。旧来の丸形計器を一掃、液晶カラーディスプレイを多数配置する「グラスコックピット」化されたP-1のそれは、旅客機とは明らかに違う特徴が散見されました。

 何より一歩コックピットに入って驚いたのは、その“広さ”です。エアバスA320やボーイング737など、P-1とほぼ同程度の大きさの飛行機のコックピットは、お世辞にも広いとは言えない、まさに文字通りの「コック・ピット(鶏小屋)」ですが、P-1のそれは操縦士2名と機上整備員1名に加え、さらに数名は入れる空間が確保されています。

 そしてウインドシールド(窓)は極めて大きく、“視界の良さ”も抜群です。機内からは非常に広い範囲を見渡すことができます。また左側に限り撮影用の小窓を備えており、警戒監視において撮影する写真や動画は、この小窓から撮影されています。

 こうした広さと視界の良さは、P-1が荷物や人を運ぶための飛行機ではない、洋上をパトロールする「哨戒機」であることを強く実感させてくれました。

一昔前とは大きく異なる計器類

 正面に並ぶ操縦用の計器類は、速度や高度姿勢などを示す「飛行計器表示(PFD)」、エンジンの状況を示す「エンジン・警報装置(EAD)」、航法情報を示す「航法・戦術表示(NTD)」、そして昨今流行している「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」といった、旅客機でも見慣れたものが多数あります。

 しかし、その表示内容をよく見ると、「飛行管理装置(FMS)」で設定した航路のほかに、エンジン計器警報装置には電波逆探装置(ESM)、ミサイル接近警報装置(MWS)、敵味方識別装置(IFF)などの作動状況が表示されており、航法ディスプレイには戦術状況を表示できるなどの機能を備えています。

 また第3航空隊のP-1は、たとえば災害派遣要請など、必要に応じて緊急発進を行えるよう、24時間常に「READY(レディ)」と呼ばれる待機を行っており、取材した機はたまたまこのREADY機でした。機長と副操縦士ふたりの座席の中間にあたる位置には「マスターアームスイッチ」があり、「兵装搭載中」と注意書きが添えられた透明なトラ柄プラスチック製カバーで防護されていました。マスターアームスイッチは、武器を搭載する航空機には必ずある、いわゆる安全装置です。

コックピットを見るだけでわかる、「ガラケーからスマホ」の進化

 P-1は主翼の兵装搭載ステーションまたは胴体内の兵装庫に、対艦ミサイルや魚雷を搭載できます。兵装庫の状態は外から見えません。

 READY(レディ)機は、様々な状況での出動が想定されます。いま、この瞬間に万が一の有事ともなれば、「戦う飛行機」として11名の乗員たちが出撃するであろうと察することができました。

 P-1は現在、P-3C哨戒機の後継機として配備が進んでいます。P-3CとP-1のシステムなどは、パイロットいわく「ガラケーとスマホくらいの違い」があるそうです。洋上のパトロールまたは海中の潜水艦を探す哨戒機は、多数のセンサーなど「システムを運ぶ入れ物」です。アナログなP-3CとデジタルなP-1、そのシステムが劇的に変化し能力が大きく向上しているであろうことは、ただコックピットに入る、それだけで理解することができます。

※ ※ ※

 P-1哨戒機が配備される厚木航空基地は、「サマースクール2019」と題し、7月下旬および8月上旬に中高生を対象とした、航空機や資料館見学も含めた職場見学会を実施、2019年7月9日(火)まで郵送にて参加者を募集しています。応募方法詳細などは海上自衛隊 厚木航空基地のwebサイト内「イベント情報」ページにて。なお、募集人数には限りがあり、応募多数の場合は抽選になるとのことです。

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