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「いろは坂」毎日走る日光の路線バス、その運転技術とは 紅葉期の大渋滞どう対応?

  • 2018年11月23日
  • 乗りものニュース

栃木県日光市の中禅寺湖畔・奥日光地域に通じる「いろは坂」。曲がりくねった峠道の難所であり、ドライバー泣かせのルートですが、ここを毎日走る路線バスも存在します。

ヘアピンカーブ連続の難所 バス会社にとっては「主要路線」

 世界文化遺産「日光の社寺」(東照宮、二荒山神社、輪王寺とその関連施設)がある栃木県日光市。2017年には約1200万人が訪れた日本有数の観光エリアです。

 その日光市周辺で路線バスを運行するのが、東武バスグループの東武バス日光。多くの路線はJR日光駅や東武日光駅を起点に、中禅寺湖畔や二社一寺(東照宮、二荒山神社、輪王寺)、鬼怒川温泉などを結んでおり、観光や生活の足として欠かせない存在です。峠を越える路線も多く、なかには中禅寺湖畔・奥日光地域に通じる「いろは坂」を走破するバスもあります。標高533mのJR日光駅から標高1200m以上に位置する中禅寺温泉までを結ぶ路線と、そこからさらに中禅寺湖畔を走り湯元温泉までを結ぶ系統です。

「いろは坂」は、ふたつの峠道の総称で、下り専用の第一いろは坂と、上り専用の第二いろは坂からなります。いずれの坂も、標高差およそ約440mのあいだにヘアピンカーブが連続。第一いろは坂と第二いろは坂のカーブの数を合計すると48か所あることが名前の由来とされており、各カーブには「いろはにほへと」の順にひとつずつ看板が設置されています。

 第一、第二とも一方通行とはいえ、決して広くはなく、勾配もきついうえに各カーブが急であることから、乗用車でも運転が難しいと言われています。この道を、東武バス日光は大型バスで毎日運行しているのです。大きなハンドルを右に左にたぐり寄せ、急カーブをいくつも連続して走行するのは、運転手としても相当気を使うことでしょう。

 とはいえ、いろは坂を通る系統は東武バス日光のなかでも主要路線の位置づけ。同社に所属する運転手は全員、たいてい週のどこかでいろは坂を走っているそうです。

紅葉シーズンは所要時間15分が3時間に!

 東武バス日光によると、いろは坂は特に第一いろは坂(下り)の42番「し」と43番「ゑ」のカーブがきついとのこと。それ以外のカーブでも、道路幅をいっぱいに使って曲がることが(大型バスでの)運転のコツだそうです。

 それをさらに難しくするのが冬季の路面凍結。標高が高く気温が低いいろは坂は凍りやすいのだそうです。運転に慣れない観光客の乗用車はもちろん、ドライバーが運転に慣れているはずのトラックや観光バスなどでも、年に1、2度は立ち往生が発生しているとのこと。運転にあたっては、そうしたほかの車両にも注意が必要だといいます。

 また、紅葉の時期には観光客が増え、激しい渋滞も発生します。通常15分ほどで下れるところ、3時間近くかかることもあるのだとか。東武バス日光は渋滞の時期などには臨時便を運行して待ち時間を減らすようにしたり、いろは坂を上った先の中禅寺温泉〜二荒山神社中宮祠バス停間で迂回運行を実施したりと、特別な運行体制をとっているそうです。

 ちなみに、いろは坂のふもとに位置する馬返(うまがえし)と日光駅前のあいだには、1968(昭和43)年まで東武鉄道の路面電車も走っていました。廃止の大きな要因はほかでもない、いろは坂の開通。1954(昭和29)年に現在の第一いろは坂が開通したことで、マイカーやバスで中禅寺湖方面へそのまま行けるようになり、路面電車は苦戦を強いられたのです。

 また、現在の第一いろは坂しかなかった時代、交通量増大にともない、坂の起点と終点に信号を設けて、1時間ずつ上りと下りを切り替えて運用していたこともありました。その後、混雑緩和のため1965(昭和40)年には第二いろは坂が完成し、現在のように第一が下り、第二が上り専用になります。そしてこの影響で、路面電車と接続していた馬返〜明智平間のケーブルカーも廃止されています。なお当時、いろは坂の通行は有料でしたが、1984(昭和59)年に無料開放されました。



※記事制作協力:風来堂、やまだともこ

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