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実は水平ではない飛行機の「水平飛行」 座席のテーブルも水平じゃない? サービスにも工夫

  • 2018年11月8日
  • 乗りものニュース

飛行機は、巡航高度に達し「水平飛行」に入っても、実はわずかに傾いているといいます。機内もその傾きを考慮した工夫がなされている一方、客室乗務員は傾きに注意しながらサービスをしているそうです。いったい、どれくらい傾いているのでしょうか。

巡航中も水平じゃない そのメリットは

 滑走路から離陸した飛行機は、機体が傾いているのがはっきりとわかります。ANA(全日空)によると、離陸推力の設定や重量などもよるものの、離陸上昇時は機首を15度前後上げた状態だそうです。

 そして所定の巡航高度に達すると、飛行機は「水平飛行」に入ります。シートベルトのサインが消え、機内食がある路線ではその給仕が始まることもあり、ホッと一息つくときかもしれません。しかし、この水平飛行中もじつは「水平」ではないのだとか。ANAに話を聞きました。

――水平飛行中も、飛行機は何度か傾いているのでしょうか?

 はい。速度や高度、機体重量、上層の気象条件などにもよりますが、機首を1.5度から3度くらい上げた状態で飛行しています。

――なぜ「水平」ではないのでしょうか?

 水平飛行時は、飛行機を持ち上げる揚力と、機体重量による重力が釣り合った状態です。ここで機首が水平に近いと十分な揚力が得られず、一方で機首を上げすぎると抵抗が大きくなってしまうのです。そのため、機首を1.5度から3度くらい上げた状態で釣り合う重力と揚力が得られるよう、機体がデザインされています。

――機材の違い、空域や状況による対応により、途中で角度が変わることはあるのでしょうか?

 水平飛行時に機首を1.5〜3度上げる点については、機材の違いはほぼありません。ただ、お話したように速度、高度、機体重量、上層の気象条件などに応じて、飛行の途中で角度は変わっていきます。

目の前のアレもじつは傾いている!

 水平飛行中も機首が傾いているため、機内は後方から前方にかけて上がる形で若干の坂になっており、客室乗務員はそれを前提に業務しています。

 ANAによると、「客室後方から前方にカートを移動させる際は、カートの重さプラス角度による抵抗がありますので、安全面の観点からも注意が必要です。常に両手で支え、カートのブレーキは常時かけるようしています」とのこと。ミール(食事)が入っているフルサイズのカートは、ふたりで操作するなどしているそうです。

 JAL(日本航空)によると、「カートを客室後方から前方へ移動させるときは、お客様のお顔が見えるように前から引っ張ります。そのときに手が空いている客室乗務員が、向かい側から押してあげるなどして助け合っています」とのこと。やはりカートが動いていく可能性があるので、ストッパーをかけるようにしているといいます。

 通路だけでなく、ギャレー(料理や飲料の準備などをする所)も傾いています。ここでも、「ミールを盛り付ける際、飛行機の傾きによって肉のソースなどが流れてしまわないよう、皿を平衡に保って美しく盛り付けられるようにしています」(ANA)、「温かいお飲み物を準備する際、何かのはずみですべっていかないように、敷物の上に器を置いてすべりを防止しています」(JAL)など、様々な気遣いがあるそうです。

 乗客が利用するシートのテーブルも、実はあらかじめ3度ほど前下がりになるようにデザインされており、水平飛行中に平行に近くなるようされているのだとか。

 ちなみに、着陸時も機体はやや傾いています。ANAによると、機材により若干の違いはあるものの、約4度から5度機首を上げた状態で着陸(接地)しているとのこと。この着陸姿勢は、空港の条件や風向、風速に応じ、フラップや着陸速度によって変化するそうです。

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