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戦車にウインカーが付いているワケ 車種でも異なる事情、戦う車両になぜ保安装置?

  • 2018年7月6日
  • 乗りものニュース

戦うことを目的に作られた陸上自衛隊の戦車にもウインカーが取り付けられていますが、よく見ると、車種によっても少し異なっています。背景になにがあるのか、装甲車全般のウインカーについて解説します。

一般道を走る戦車、見たことある?

 轟音をたてて目の前を走り去る自衛隊の戦車たち。戦うことを前提にして作られた戦車ですが、実は車体の前後にウインカーを装備しています。つまり、戦車も一般道(公道)を走ることを想定しているといえます。いったいどこで走っているのでしょうか。

 通常の訓練であれば、戦車は一般道を経由せず、駐屯地から演習場へ直接入っていきます。なぜなら、戦車が所属する多くの駐屯地が演習場と面しているからです。そのため、駐屯地の一角には、戦車も通れる通用門が設けられていることもあります。

 駐屯地から遠方へ輸送する場合には、多くの場合、自衛隊のトレーラで運ばれます。さらに長距離を移動することを目的とした訓練の場合には、戦車は貨物列車やフェリーなどで運ばれることもあります。これは、重量が重く、航空機に搭載して空輸することができない戦車ではよく行われる輸送手段です。

 こうした場合、戦車はトレーラで港などに輸送されるので、トレーラから降ろされたあとは最低限の距離を自走します。場所も公道ではないことから、ウインカーはほとんど使いません。

 しかし、ある場所では堂々と一般道を走っている姿が確認されています。そのひとつが北海道なのです。

実際に公道を走るとなると…?

 北海道の千歳市にある東千歳駐屯地には、第7師団の部隊が多く駐屯しています。第7師団は多くの戦車や装甲車を持つことから、機甲師団とも呼ばれています。

 東千歳駐屯地から、北海道大演習場までの約10kmの道のりは、なんと戦車が自走して一般道を移動します。そのような時、この戦車のウインカーが役に立つといいます。

 ただし、戦車が走行する場合、車長は砲塔から身を乗り出し周囲の安全確認をしています。一般道を走行する場合も同様で、ウインカーだけに頼ることなく、車長が全周を警戒しているほか、先導車がいたり、曲がり角には誘導員も待機していたりするので、戦車周辺の安全確保はウインカーだけに頼っている訳ではありません。また、一般道走行時には路面を傷めないよう履帯(いわゆるキャタピラー)にはゴムパッドを取り付け、さらに戦車側面の安全確認のためにサイドミラーも取り付けられます。

 この戦車が一般道を走行する姿ですが、千歳市役所のホームページなどで事前情報を確認することができます。

「装軌」と「装輪」で異なるワケ

 実は、戦車以外の「装甲車」にもウインカーが取り付けられています。そして、そこには「装輪車」と「装軌車」での違いも確認することができました。

 まずそもそもの前提として、戦車をはじめ自衛隊の特殊な大型車両などは、道路運送車両法などの適用が除外されています。ゆえに、一般道を走るうえでウインカーやサイドミラーなどの装着「義務」もありません。しかし、周囲の一般車両が戸惑わないよう、なるべく一般車両と同じような走行をするとの考えから、ウインカーなどを装備しているそうです。

 とはいえ戦車は、一般道を走る前提で作られていません。そのため、ウインカーは必要最小限度の範囲で車体の前後にだけ取り付けられています。一般の自動車のように側面にはウインカーが取り付けられていないのが特徴なのです。ほかにも、こうした大型車両の特徴でもある、側面にあるはずの反射板も取り付けられていません。

 同じ装甲車でも、タイヤで走る「装輪車」は事情が違うようです。

 自衛隊の装甲車には装軌車と装輪車の2タイプがありますが、装輪車は最初の段階から一般道を走る想定をして作られているので、しっかりと保安基準を守るようにしているとのことです。

 そのため、「装輪戦車」とも呼ばれる16式機動戦闘車には、車体両側面にウインカーや反射板が取り付けられています。

 このウインカーですが、自衛隊の車両はロータリースイッチという灯火(ライト)を制御する機構を持っています。そのため、訓練や実戦などの時は、ウインカーやライトが点かないように設定することもできます。

 戦車にウインカーと聞くと、とても不自然に感じるかもしれませんが、実は世界の主要戦車を見てみても、その多くがウインカーを装着していることから、決して日本の戦車が特別だということではないのです。

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