サイト内
ウェブ

ハンドルの「すえ切り」クルマを痛める? メーカーに聞く、実際の負担、注意点

  • 2018年6月12日
  • 乗りものニュース

クルマを停止させたままハンドルを回す「すえ切り」は、クルマに負担をかけるため望ましくないと言われます。実際、クルマにかかる負担はどの程度なのでしょうか。

当然負担はかかるが、許容範囲も

 クルマを停止させたままハンドルを回して前輪の向きを変える操作、いわゆる「すえ切り」は、クルマのタイヤや操舵系などに負担をかけるため、「するべきではない」という声もしばしば耳にします。

 ただ、狭いスペースで車庫入れをする場合は、「すえ切り」を行うことで停止状態のまま前輪の向きを大きく転換でき、切り返しの回数を少なくできます。また、駐車に慣れていない初心者の場合、方向転換の操作を間違えないために「すえ切り」を行うこともあるでしょう。

 昔はハンドルの操舵力を補助するパワーステアリング機構(パワステ)を搭載しないクルマがほとんどで、停車中はハンドルが非常に重く、そもそも「すえ切り」を行うこと自体が困難でした。現在ではほとんどのクルマにパワステが搭載され、停車状態での「すえ切り」は簡単にできるようになっています。

 実際のところ、「すえ切り」によってタイヤや操舵系にどのような負担がかかるのでしょうか。
 
 まず、タイヤへの負担についてブリヂストンに聞いたところ、当然といえば当然なのですが、やはりタイヤの摩耗について指摘がありました。

「もともと、タイヤは車両に対して一定の角度(キャンバ角)をつけて装着されています。そのため、『すえ切り』を行うとタイヤのショルダー(両肩)部分に負荷がかかりやすくなり、高い頻度で行うとその部分に摩耗が発生する可能性があります」(ブリヂストン 担当者)

 ブリヂストンによると、ショルダー部分での摩耗が進んでいけば、当然タイヤの寿命も短くなりますが、クルマの前後左右のタイヤを入れ替える「ローテーション」を定期的に行うことで、摩耗の偏りはある程度是正でき、タイヤの寿命をのばすことにもつながるといいます。

電動パワステの場合、エアコンより高い負荷も

 一方、「すえ切り」による操舵系への負担はどうなのでしょうか。現在のクルマのほとんどはモーターで操舵力をアシストする電動パワーステアリングを搭載しています。自動車用の電動パワステを製造するジェイテクト(愛知県名古屋市)によると、「すえ切り」はアシスト力を発生させるモーターに負担をかけるといいます。

「前輪の向きを変える場合は、クルマを前進させる動力がある方がスムーズに動かせるのですが、クルマを停止させて『すえ切り』を行う場合はモーターの力だけで前輪を動かすことになるため、モーターの負荷が大きくなります。その際の電力消費量は、一時的にカーエアコンを超えることもあります」(ジェイテクト 担当者)

 同担当者によると、現在のクルマに搭載されている電動パワステは、ドライバーが快適に操舵できるように「すえ切り」を許容できる設計になっていますが、もちろん常軌を逸するほど頻繁に「すえ切り」を繰り返せば、不具合が発生する可能性があるといいます。

「ステアリング機構に過度な負担をかけないためには、クルマの周囲に注意しつつ、なるべくクルマを停止させないようにしてハンドル操作を行うことを心がけてください」(ジェイテクト 担当者)

 ブリヂストンとジェイテクトの話をまとめると、「すえ切り」は確かにタイヤやステアリング機構に一定の負担をかけるが、頻繁に行うのでなければどちらもある程度許容でき、タイヤに関してはローテーションによってある程度摩耗の偏りをカバーすることもできる、ということになります。
 
 しかしながら、クルマを大切にするという観点では、なるべく「すえ切り」をしない方法、つまり前進または後退しながらハンドルを動かす操作が望ましいといえるでしょう。

キーワードからさがす

日本自然保護協会×緑のgoo

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

日本自然保護協会×緑のgoo
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright © 2018 mediavague Co., ltd.