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「大津〜信楽」の"抜け道"が工事進行中 大戸川ダム工事で付け替え 隘路解消へ

  • 2022年8月20日
  • 乗りものニュース

20年以上にわたる大工事も終わりが見えてきました。

信楽・水口方面への短絡ルート

 滋賀県南部の”奥地”・甲賀市信楽と大津市街をむすぶ道路が、大きく生まれ変わろうとしています。

 大津市街から四日市・名古屋方面へ向かう際、国道1号は草津・栗東方面へ大きく迂回しています。広大な田上山地が阻んでいるからです。

 その田上山地の谷間を抜けて甲賀市水口へショートカットするのが、信楽経由のルートです。大津から信楽までは県道・大津信楽線、信楽からは国道307号線が走っています。新名神の開通までは、このルートが大津側からの唯一の経路となっていました。

 その大津信楽線、大津側は大戸川の渓流沿いを縫うような道路で、やっとのことですれ違える幅しかない区間が長く続きます。それでいて先述のとおり抜け道になることから交通量も多く、トラック同士の離合で道路が詰まることも。また、大雨などで真っ先に通行止めとなる区間でもあります。

 この難所が、山の中腹を走る新ルートとして改良されます。まず、大津市平野町から新名神高架沿いを走るバイパスが2019年に開通。そこからは未開通で、山間部に入ると大戸川を南岸へ渡り、新3号橋で北岸に渡ると、ダムの上へ一気に標高を上げ、そこから中腹を縫うように信楽町黄瀬地区まで高架橋と切土で抜けていく計画になっています。

時代に翻弄された道路、どこまで進んだ?

 この工事の発端は「大戸川ダム」の建設事業で、ダム貯水池に沈む道路の付け替え道路として、整備が進められているのです。

 大戸川ダムは昭和40年代から調査が行われ、1989(平成元)年に事業化。川沿いの集落の移転も完了し、付け替え工事が始まったのが1999(平成11)年のことでした。

 しかし2008(平成20)年になり、当時のダム反対の機運も後押しした形で、淀川水系河川整備計画の策定にあたって大戸川ダムは凍結の方針に。付け替え道路の工事は、最小限のコストと構造で、細々と予算を付けて継続されることになりました。

 それから13年が経過した2021年。河川整備計画が新たに策定され、大戸川ダムは再び計画に加えられます。それとともに付け替え道路の工事も再開。ほとんど完成した状態で長期間残されていた高架とトンネルも、いよいよ舗装や電気設備の工事が着手され、現在に至ります。

 現在、道路本体が未完成となっているのは大津市街寄りの取付部、新2号橋〜新8号橋の数工区。切土・盛土や擁壁工事が同時進行で進められています。大工事となる計47か所の橋梁は、ほぼ形が見えている状況です。

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