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鉄道の信号、なぜ「青」がない? 赤と黄の意味とは 東京メトロが中高生にレクチャー

  • 2022年8月4日
  • 乗りものニュース

東京メトロと東京大学生産技術研究所が「鉄道ワークショップ2022」を開催。事前募集で選ばれた中高生計50人が参加し、鉄道信号機の仕組みを学びました。

連動制御盤の実物に触れ

 東京メトロと東京大学生産技術研究所は2022年8月3日(水)、東京メトロの総合研修訓練センター(東京都江東区)などで、中高生を対象に「鉄道ワークショップ2022」を開催しました。テーマは「鉄道信号機の仕組み」。事前募集により選ばれた計50人が、まずは座学にてその仕組みを学んだうえ、模擬駅にある実物で動く様子などを体験しました。

 模擬駅には、転轍機(ポイント)が置かれ、その脇には信号機があります。手前にはポイントを動かす連動制御盤(コントローラー)があり、列車の位置や開通した進路などがランプで光ります。

 ここで、コントローラーを扱う駅員役と、ポイントの上に模擬列車を走らせる電車役を決めます。そもそもレールには、信号機を動作させるための電流が流れており、電車役は左右のレールを触れさせる車輪の役割を担っています。左右のレールを触れさせる(短絡させる)と、コントローラーはそこに電車がいる(在線)と認識。信号機の表示が変化するほか、コントローラー上の進路ランプなどが点灯するという仕組みです。

 さて模擬駅では列車を折り返すことを想定。進む先にほかの列車がないこと、列車が折り返しに要するスペースが確保できることなどを確認し、進路を決めます。駅員役が制御盤のスイッチ(てこ)を動かすと、ポイントが作動。制御盤の進路ランプがその方向へ点々と光ります。

操作を間違った…! でも安全装置があるから大丈夫

 注目したいのは、脇にある信号機です。入換信号機といい、赤と黄しか表示しません。ふつう、信号機といえば、道路にあるような「青・黄・赤」の3色タイプを想像するでしょう。それぞれの意味は「進んでよい」「止まれ」などですが、鉄道の信号機は色そのものに「時速何km以下で進め」という意味があります。

 東京メトロの場合、赤は道路と同じく「止まれ」ですが、黄は「25km/h以下で進め」。そしてポイントに設置されているという特性を考えれば、隣の線路に移るためにゆっくり進む必要があるわけです。逆にいえば、高速で進んでは脱線の危険があるため、青が表示されないのです。

 安全システムについてもレクチャーされました。電車役がポイントの上で左右のレールを触れさせる、つまり在線状態にしたまま、駅員役がスイッチを操作しますが、ポイントは動きません。もしそのまま動けば、列車は脱線してしまいます。万が一駅員が操作を誤っても、事故にならないよう安全システムが組み込まれているのです。

 実際の東京メトロの各線では、ATC(自動列車制御装置)やATO(自動列車運転装置)といったシステムで列車が動いているため、駅員などがすべてのケースでスイッチを動かしているわけではありません。ただし、日中など列車が比較的少ない時間帯には、訓練のために実車の制御においてもスイッチを扱うことがあるそうです。

 中高生らはほかにも、銀座線の三越前駅を表したコントローラーも見学。浅草方面、渋谷方面と、より具体的になった装置に見入っていました。

皆さん鉄道は好きになりましたよね?

「鉄道ワークショップ2022」について、東京メトロのサステナビリティ推進部 宮内佑尚課長は「最初、皆さんの中で鉄道が好きな人はいますかと聞いたところ、7〜8割の方が手を挙げたと思いますが、ワークショップが終了した今は100%だろうと確信しています。鉄道は、1人を1km運ぶのに要する二酸化炭素が16g強と、クルマの130gに比べてエコな乗りものです。サステナビリティな社会という言葉を耳にするでしょうが、ものの仕組みを知ることは、皆さんにも社会にも意味があることです。色々頑張って学びを深めてください」と話しました。

「鉄道ワークショップ」は、東京メトロと東京大学生産技術研究所が、次世代を担う人材を育成することを目的に開催しているもの。近年は新型コロナウイルス感染症の影響で開催が見送られたこともありましたが、毎年テーマを変えて行われ、今回は8回目となりました。

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