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“山手線”に残る2つの「開かずの踏切」遠い解消 打つ手なし? さらに深刻化の可能性も

  • 2022年7月3日
  • 乗りものニュース

「山手線最後の踏切」は向こう10年以内にもなくなることが決まっていますが、山手線内にはまだ、踏切が残っています。しかも、かなり深刻な「開かずの踏切」と化しているものの、打つ手なしという状態です。

「山手線」に踏切はまだ残っている!

「山手線最後の踏切」といわれる東京都北区の第二中里踏切(駒込〜田端)。ここは、すでに廃止されることが決まっています。都市計画道路建設の一環で、2020年に地元とJR東日本が合意しており、線路をまたぐ橋が2029年に完成すると、それに伴い踏切も廃止される予定です。なお、これにより山手線の自動運転化も前進するといわれています。
 
 ただ、厳密にいうと「山手線」の踏切は、ここ以外にもあります。そして、その一部は深刻な「開かずの踏切」と化しているのです。

 それは山手線の内側に並行する埼京線や湘南新宿ラインなどが走る「山手貨物線」の踏切で、法令上は「山手線」に属します。第二中里踏切以外で残っているのは3か所あります。

 そのうちのひとつ、恵比寿〜目黒間の長者丸踏切は住宅街のなかにある車両の通れない小さな踏切で、渡る人もそれほど多くはありません。問題は残る2つ。代々木駅のすぐそばにある「厩道踏切」と「青山街道踏切」です。

「開かない!」駅前の踏切

 代々木駅西口前で、線路の東側へ向かう道が二股に分かれます。うち北側の道に厩道踏切、南側の道に青山街道踏切が、それぞれ山手線(旅客線)のガードを越えるとすぐ現れます。

 どちらも一方通行の細道ながら、駅と明治通りとを直結するため、歩行者はひっきりなしですが、頻繁に「カンカンカンカン…」と遮断機が降りてきます。

「本当に開かないんだよ、あの踏切」。青山街道から明治通りへ抜けた先、東京メトロ北参道駅付近に引っ越してきたという30代男性は、あまりに踏切待ちが長くて驚いたといいます。通過列車の本数は、平日朝8時台で45本に上ります。

 踏切で列車の接近を示すランプが北行き、南行きとも点灯し、南行きの列車が通過、やがて北行きの列車もやってきて、もうすぐ踏切が開くと思ったら……その列車が停まってしまい、乗客と踏切待ちの群衆がにらめっこ状態に。そうこうしているうちに、南行きの列車がまた接近……こんな光景が見受けられました。

 一大ターミナルの新宿駅に近いため信号があり、列車の遅れやホームでの発車遅れなどの影響を受けやすく、列車が踏切上でしばしば停車してしまうのです。

深刻の度合いが増している「開かずの踏切」

 もともと貨物線であるため両踏切を通過する列車は少なかったものの、1990年代以降、埼京線の運転区間が新宿から恵比寿、大崎へと延伸、そして湘南新宿ラインの列車が通り、さらに2019年からは相鉄線との直通列車も加わったことで、いよいよ「開かず」の深刻さが増したといわれます。

 地元の渋谷区は1990年代から、この状況を見越して都や国へ線路の地下化など要望してきました。しかし2022年現在も立体交差は実現せず、歩行者が横断できる自由通路の設置などについても、「周辺の地形など物理的な制約から実現性が低く、有効な対策が見出せていない状況にあります」とのこと。

 両踏切のあいだは100mほどですが、ここで中央線が山手貨物線を跨いでいるため、貨物線の高架化はまず不可能。その南側で山手貨物線は築堤に上がり、4車線道路をまたぎますが、その間、線路の地下を都営大江戸線が横切っており、貨物線の地下化にも困難が伴うと考えられます。

 では歩行者用の自由通路だけでも設けられないかというと、踏切は山手線のガードに隣接しているため、これを高架で設けることも難しそうです。かといって、山手線の西側と明治通りを結ぶ重要路であるため、通行止めにすれば地元の反発は必至です。

 なお、踏切のすぐそばまで建物が密集していることもあり、両道路とも改良の計画はないそうです。

 2021年12月には、厩道踏切を渡ったトレーラーが狭いカーブを曲がりきれず立ち往生し、長時間にわたり線路をふさぐ事態も発生しましたが、今後、同様の事故が増えるかもしれません。

 というのも、厩道踏切を抜けた先で、明治通りのバイパスとなる新しい道路(環状5号線)が造られているためです。地図を見る限り、厩道踏切の道は、山手線の西側から明治通り、池袋方面へ向かう抜け道になる可能性があります。

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