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「新幹線」だけど踏切アリってなぜ? 山形新幹線ならではの“目立つ”踏切安全対策とは

  • 2022年3月26日
  • 乗りものニュース

新幹線は原則として立体交差で、もちろん踏切もありません。ただし、これはフル規格新幹線に限った話。在来線の線路や設備を転用したミニ新幹線には、「踏切」も普通に存在しますが、ここならではの工夫も詰まっています。

西日本の人には意外?

 踏切で新幹線とクルマが衝突した――このような事故のニュースが流れると、特に西日本に住む人からは、「なぜ新幹線に踏切があるのか」「高架線を走らないのか」といった疑問がしばしば聞かれます。それもそのはず、山陽新幹線や九州新幹線などには踏切が存在しないからです。

 では、このような事故が起きうるのはどこかというと、東北地方を走る山形新幹線と秋田新幹線です。

 1992(平成4)年に開業した山形新幹線は、福島県の福島駅から山形県の新庄駅までを結んでいます。福島駅は東北新幹線との接続駅でもあるため、東北新幹線の車両との連結や切り離しも行われています。

 東北新幹線は1982(昭和57)年に暫定開業。東北の拠点都市である仙台をはじめ、沿線には人口の多い都市が点在するため、多くの利用者が期待できます。

 他方、山形県は人口が少なく、新幹線の計画から取り残されましたが、それでも新幹線を望む声が上がります。地域柄、冬になると荒天などで移動手段が限られてしまうからです。これは秋田県も同様でした。

 東海道・山陽新幹線や東北新幹線のように、最高速度200km/h以上かつ全線が立体交差化されたフル規格と呼ばれる新幹線を建設・運行しても、採算がとれるかは疑問でした。しかし山形県での国体開催(1992年)が決まると、収支的な事情も踏まえて「ミニ新幹線」が建設されることになったのです。

在来線の設備を転用した「ミニ新幹線」

 ミニ新幹線とはフル規格とは異なり、在来線の線路や設備を活用しています。山形新幹線は、福島〜山形間を結ぶ奥羽本線を新幹線の車両が走れるようにしているのです。

 奥羽本線の軌間は1067mm、新幹線の軌間は1435mmです。福島駅から奥羽本線へ新幹線を直通させるには、線路の幅を揃えなければなりません。そのため、福島〜山形間の線路は1435mmへと改軌されましたが、線路としてはあくまで「在来線」であるため、フル規格の新幹線には存在しない踏切が点在しています。時折、新幹線と自動車の踏切事故が発生するのは、そのためです。

 東北新幹線内では200km/hを超える高速で走れますが、山形新幹線区間に入ると、安全上の観点から最高速度が130km/hに制限されます。とはいえ速いことに違いありません。そこで踏切事故を減らすため、山形新幹線(奥羽本線)の主要踏切では遠くからでも視認できるような工夫がなされています。

 それが踏切の前に建てられた、門のような構造物です。これにより、交差する道路を走るクルマからは、「新幹線も通る踏切」の存在が分かりやすくなっています。また、クレーン車などが高電圧電線に接触するのを未然に防ぐ役目もあります。

 1999(平成11)年、山形新幹線は新庄駅まで延伸。山形〜新庄間も奥羽本線を改軌したミニ新幹線なので、山形新幹線における踏切の数は増えることになりました。

 なお、1997(平成9)年に開業した秋田新幹線もミニ新幹線です。秋田新幹線は岩手県の盛岡駅から秋田県の秋田駅へとつながる田沢湖線と奥羽本線を改軌しています。こちらも線路や設備を転用しているので、同区間には踏切があります。

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