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日本最古の飛行場「岐阜基地」管制塔に潜入 大パノラマ広がる高い塔でのお仕事とは?

  • 2021年6月26日
  • 乗りものニュース

全国にある自衛隊の航空基地において、飛行場管制業務が行われる管制塔は、航空祭などでも基本的には一般公開されません。内部はどうなっているのか、どんなことを行っているのか取材してきました。

管制塔では車両や人員の動きも監視

 全国に航空自衛隊基地は70か所以上あります。そのなかで飛行場として管制業務を実施しているのは15か所ほど。それら飛行場として用いられている基地には管制塔が設けられています。

 管制塔は飛行場全体を見渡せるよう、かなり高く作られているため、遠目からでも目立つ存在ですが、航空祭などでも基本的には一般公開されません。そこではどんな隊員がどういったことを行っているのか、その業務の一端を航空自衛隊岐阜基地で見せてもらいました。

 岐阜基地は岐阜市のお隣、各務原(かかみがはら)市にあり、長さ約2700mの滑走路が東西に走っています。ここは日本最古の飛行場で、1917(大正6)年に旧日本陸軍の各務原飛行場として開設されたのち、アメリカ軍の占領を経て1958(昭和33)年より航空自衛隊の基地として使用されています。

 そんな特徴を持つ岐阜基地の管制塔は滑走路の北側にあります。ここで航空管制を担う部隊「岐阜管制隊」のおもな仕事は、岐阜飛行場を発着する航空機、飛行場周辺を飛行する航空機及び飛行場内を地上走行する航空機、車両、人員に対して、無線により指示を発出して安全を確保する業務です。加えて管制業務に用いる各種器材の保守整備も任務の一つだといいます。

 岐阜基地の管制塔の高さは約30mだそうで、内部に入って業務の一端も見せてもらいました。

管制塔特有の装備「ライトガン」とは

 管制塔のなかで最も高い場所にある管制室は、重要エリアであるため、航空自衛隊員といえども必要なく立ち入ることはできないようになっています。上がる途中には施錠されたドアがあり、鍵を開けなければ先へ進めないようになっているほか、立ち入る際はスマートフォンなどをすべて預ける必要があります。

 隊員の案内のもと管制室に入ってみると、まず飛び込んできたのは、かなり遠方まで見渡せる良好な視界。取材当日は晴れていたため、約25km離れた名古屋駅周辺の高層ビルまで見えました。

 また管制室は全方位の視界が確保できるよう、360度ガラス窓。しかもガラス窓1枚1枚が非常に大きく、フレームなども極力少なくする構造になっているのも特徴的でした。

 よく見ると、管制官の頭上にトリガー付きの大筒が。隊員によると通称「ライトガン」と呼ばれる装備だといいます。下ろしてもらうと、側面の銘板には「指向信号灯」と記されていました。

 これは航空機と管制官との無線でのやり取りが、故障などで通信不能に陥った時に使うものとのこと。ライトガンは赤、緑、白の3色の光を出すことができ、発光信号でやりとりするのだそうです。

 相手に確実に光が届くよう、ライトガン本体の上部には狙撃銃に付けるようなライフルスコープも取り付けられていました。

名古屋飛行場に隣接する岐阜基地の特性

 岐阜基地の管制の特徴について隊員に聞いてみたところ、他基地と比べて離着陸する航空機の種類がとても多い点が挙がりました。その理由は岐阜基地に飛行開発実験団が所在するからです。飛行開発実験団は、航空自衛隊が保有する航空機やミサイルの試験などを行うのが主任務であり、ゆえに航空自衛隊が保有するほとんどの航空機を装備しているのが特徴の部隊です。

 F-15J戦闘機はもちろん、大はC-2輸送機から、小はT-7練習機まで様々な飛行機を運用しているため、各機に応じた速度や高度での航空管制が必要になるとのことでした。

 また岐阜基地には川崎重工の航空機工場が隣接しており、新造機のテストやフェリー(空輸)などでは基地の滑走路を使って離着陸するため、それらにも対応する必要があるほか、岐阜県警や岐阜県防災航空隊のヘリコプターなども所在するため、それらの管制も実施しているそうです。こういったことから、機種についてバラエティに富んでいると話してくれました。

 ほかにも、岐阜基地の南方約16km地点には県営名古屋空港(航空自衛隊小牧基地)があり、その名古屋空港に向けて北側から進入する到着機は、岐阜飛行場のすぐそばを低高度で横切るように飛行するため、その際は岐阜の管制下にある航空機に対して、接近を回避するための経路や高度の制限を指示するとのことでした。

 隊員によると、岐阜基地の管制室には名古屋飛行場や中部国際空港(セントレア)との直通電話もあるといいます。そういったところは、愛知県に隣接した航空基地ならではでしょう。

 岐阜基地に限らず、飛行場においては、その周辺を飛ぶ航空機だけでなく地上の人や車両も管制塔の指示に従う必要があります。その意味では、管制官は高所から地上に睨みを利かす、飛行場の“番人”といえるのかもしれません。

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