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羽越・奥羽新幹線 線路の造り方「工夫」して開業へ一歩前進? 秋田新幹線より早く

  • 2021年6月23日
  • 乗りものニュース

「羽越・奥羽新幹線関係6県合同プロジェクトチーム」が「羽越新幹線」と「奥羽新幹線」について、「工夫」などによって費用より便益のほうが大きくなる計算結果を公表。ただ、厳しい可能性も合わせて明らかになっています。

秋田新幹線よりも短時間で東京から秋田へ

「羽越新幹線」と「奥羽新幹線」について、沿線の6県で構成する「羽越・奥羽新幹線関係6県合同プロジェクトチーム」が2021年6月21日(月)、調査結果を発表。費用便益比が、最大で「1.08」になると発表しました(羽越・奥羽の両新幹線を整備した場合)。

 かんたんに言うと「両新幹線の建設は、得られる利益のほうが要する費用より大きい場合がある」という発表です。同プロジェクトチームは「フル規格新幹線としての羽越・奥羽新幹線の整備の妥当性を確認」したとしています(費用便益比が「1」を上回ると得られる便益のほうが費用より大きい妥当な事業と評価される)。

 羽越新幹線は富山市と青森市を新潟市付近、秋田市付近を経由して結び、奥羽新幹線は福島市と秋田市を山形市付近経由で結ぶ路線です。両路線とも1973(昭和48)年、全国新幹線鉄道整備法にのっとり、政府によって基本計画が定められました。

 新幹線の建設は基本的に、まずそうした基本計画が定められて「基本計画路線」になったのち、整備計画が決定して着工、という流れになっており、羽越新幹線と奥羽新幹線は現在、建設候補リストに載っているような状態と言えるでしょうか。

 今回の調査結果では、両新幹線が実現すれば東京〜山形間が1時間40分(−46分)、東京〜秋田間が2時間23分(−1時間14分)、山形〜秋田間が42分(−2時間41分)、東京〜鶴岡間が2時間21分(−1時間12分)、新潟〜新青森間が3時間2分(−1時間26分)、新潟〜秋田間が1時間1分(−2時間29分)で結ばれるそうです。

 ただ冒頭で「1」を越えている費用便益比について、最少で「0.47」という「建設が妥当」とは言えない結果もあわせて出ています。

「一般的な新幹線」にいくつか「工夫」をします

 今回、費用便益比が「1」を上回るような調査結果も出せた理由として、いわば「一般的な新幹線」から構造を簡素化して建設することになる次の「工夫」が挙げられます。

・線路を複線から単線にする。
・線路を高架橋から土構造にする(地面の上に線路を敷く)。
・駅舎を土木構造物が少ない「ハイブリット駅舎」にする。

 そして、これに次の前提条件が加わると、費用便益比が「1.08」になるとのこと。

・最高速度320km/hとする(同様の新幹線では現在のところ260km/hが基本)。
・2060年まで経済成長する想定。
・社会的割引率を3%とする(国交省の指針では4%)。

 もしこの前提条件が、それぞれ「260km/h」「2028年まで経済成長」「社会的割引率4%」と、いわば悲観的なものになると、費用便益比は先述の「工夫」をしても「0.65」です(「工夫」をしないと最少の「0.47」になる)。

「社会的割引率」は、便益や費用を現在の価値に換算する係数。今回の試算では、近年の国債利回りや費用便益比の算定例から「3%」も検討したといいます。

 また羽越新幹線と奥羽新幹線では、全体的に羽越新幹線のほうがやや良い費用便益比という結果です(条件が最も良い場合の費用便益比は奥羽新幹線単独整備で「1.44」、羽越新幹線単独整備で「1.55」)。

 両新幹線の総事業費は、「工夫」をした場合で4.04兆円から4.22兆円という試算(「工夫」しないと5.35兆円)。調査結果では、2045年の開業が予定されています。

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