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「並行在来線準備会社」は何を準備しているのか? 北陸新幹線敦賀延伸に向けて進む計画

  • 2020年10月30日
  • 乗りものニュース

2023年春、北陸新幹線の金沢〜敦賀間が延伸開業します。これに伴い並行在来線であるJR北陸本線のうち、福井県内の運営が第三セクターの並行在来線準備株式会社に引き継がれます。開業まで、同社は具体的に何をしているのでしょうか。

JR北陸本線の石川県境〜敦賀間が「福井県並行在来線準備株式会社」に

 北陸新幹線の金沢〜敦賀間は2020年8月にすべてのトンネルで掘削が完了。引き続き2023年春の開業を目指し工事が進んでいます。新幹線が開業すると、並行在来線であるJR北陸本線の同区間はJRから経営が分離され、石川県区間が第三セクター方式のIRいしかわ鉄道に、福井県区間が同じく第三セクター方式の新会社にそれぞれ受け継がれることに。このうち福井県区間の新会社は「福井県並行在来線準備株式会社」という名称で設立され、現在は開業に向けた準備が進められています。

 ところで今しがた「開業に向けた準備」とさらっと書いてしまいましたが、目に見える形で変わっていく工事とは異なり、並行在来線開業に向けた準備会社は何をしているのか気になるところ。そこで同社総務企画課の小澤潤仁さんに教えてもらいました。

 福井県並行在来線準備株式会社が設立されたのは2019年8月のこと。当初は社長と社員3人の計4人体制でスタートしました。主たる業務は社員の採用育成です。2023年春の開業までに全部でプロパー社員約100人の採用を目指しており、2020年4月には約30人が一期生として入社しました。

入社した一期生らはJRで研修中

 当初は富山県のあいの風とやま鉄道や石川県のIRいしかわ鉄道など、同じ北陸本線出身の並行在来線に倣い、開業2年半前にあたる2020年夏ごろの会社設立を予定していました。しかし前述のとおり、実際に会社が設立されたのは開業3年半前にあたる2019年8月。背景には福井県が全国トップクラスの有効求人倍率を誇ることがあります。

 短期間で一気に100人を採用するのは難しく、また県内の他企業の採用活動に影響を及ぼすことを防ぐため、設立時期が前倒しになったと小澤さんは語ってくれました。開業時には同社で採用した約100人に加え、JRからの出向社員約200人の合計約300人体制となるそうです。そして開業10年後には「社員総プロパー化」が見込まれています。

 採用は運輸職と鉄道技術職の2つの職種に分かれており、さらに鉄道技術職は車両、施設、電気といった3つの系統に区分されています。2020年4月に入社した一期生たちは現在、JRに出向し、運輸職であれば福井県内の有人駅で、また技術職であれば、県内のみならず、金沢の車両基地や吹田の訓練センターなどで技術の習得に向けて研修の真っ最中です。2021年春に採用する社員として約30人の内定もすでに決まり、内定者は一日も早く一人前になれるよう入社を心待ちにしています。また、会社では早期の人材育成を狙い、鉄道技術職の随時募集を現在、行っています。

2021年夏ごろには新社名や制服などが決定

 一方、本社部門としては2020年6月にJRから出向の社員を迎え入れ、新たに運輸計画課を立ち上げました。運輸計画課では、国土交通省に提出する「鉄道事業許可申請書」や安全・安定した運行を確保するための規則の作成など、書類面の業務を行っています。

 さて、福井県並行在来線準備株式会社はこれから開業に向けてどのように動いていくのでしょうか。具体的な動きを決めるのは、県や沿線自治体、利用者団体などで構成される並行在来線対策協議会で作成されている「福井県並行在来線経営計画」です。経営計画には会社の運営にあたっての基本方針などが盛り込まれます。2021年の1、2月ごろに策定される予定で、以降はこれに沿って会社は準備を進めていくそうです。

 どういった社名になるのかも気になりますね。現在は「福井県並行在来線準備株式会社」と非常に長い名称ですが、公募などの手続を経て、2021年の夏ごろには「○○鉄道」「○○電鉄」といった名称に変更される見通しです。社名が決定したのちは、ロゴや制服、車両のデザインなど、「見える部分」についても順次定まっていくこととなります。

 話を伺った小澤さんは、会社設立時の社員の一人ですが、元々は福井県の職員です。公務員が民間の株式会社に出向できる年限は決まってることから、開業時に社員として立ち会うことはできないそうですが、「県の職員として県民の暮らしと経済を支えていきたいです」と語ってくれました。

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