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日産が燃費・排ガス検査で不正(全文2)原因の徹底究明と再発防止で責任取る

  • 2018年7月10日
  • THE PAGE

 日産自動車は9日、新車の完成検査時の燃費と排ガス測定で不正があったと発表した。昨年9月に発覚した無資格者による完成車検査に続く不正となり、会見した山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「再発防止に向けた取り組みを進めている中で、このような事案が発見されたことに対し、深くお詫び申し上げる」と陳謝した。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】排ガス検査データを改ざん 日産が記者会見」に対応しております。

燃費の諸元値の検証、当面の再発防止策

山内:GT-Rにつきましては生産台数が少なく、統計学上の信頼性を確保するためには、必要となる検査の対象車両数をさらに増加させて、諸元値の検証を継続しているところであります。

 続いて、燃費の諸元値の検証についてですが、信頼性の認められる6データの再検証の結果、すべての抜取検査対象車種が、燃費の諸元値を担保できていることを確認しました。従いまして、カタログ等で公表している燃費の数値に誤りはございません。

 当面の再発防止策でございますが、このような事案が判明したことを受けて、データ保存前の書き換えを防止するための対応策を速やかに講じております。具体的な対応策として申し上げますと、まず全車両製造工場において、いったん廃棄、抜取検査を停止し、管理者または監督者の常時立会の下で検査を再開し、ログデータの確認を実施いたしました。また、今月末までに設備を測定値の書き換えができないシステムに変更をする予定でございます。

 以上、現時点で判明した事実および保安基準の適合性、諸元値の検討の概略、当面の対応策についてご説明をさせていただきました。現在、その原因や行為に至った背景を含め、徹底した調査を進めております。本件の原因究明を中心とした調査につきましては、西村あさひ法律事務所に依頼をしております。今後、その結果を基に適正な再発防止策を講じてまいりたいと考えております。

 本事案は、完成検査に対する再発防止策を実施する中で発見されました。こうした事案が確認されたこと自体については、大変残念としか言いようがございません。ただ、これは弊社がこれまで実施してきた網羅的な法令遵守に関する自主点検が機能している結果でもあると受け止めております。また同時に現状の課題の根深さ、また、われわれの取り組みの進捗が未だ道半ばであることを痛感しております。時間は少し掛かるかもしれませんが、社長の西川を筆頭に経営の重要課題として捉え、コンプライアンス意識の徹底が急務であることをあらためて認識し、これまでに着手した本事案に関する調査を徹底的に実施するとともに、これまで実施してきた再発防止策についても、従業員1人1人にコンプライアンス意識を根付かせるための見直しを進め、全社一丸となって、真摯かつ愚直に取り組んでまいる所存です。

 私からは以上です。次に、本田のほうから事案の詳細について説明をさせていただきたいと思います。

事案の発覚の経緯、判明した事実などについて

本田:日本生産事業本部を担当しております、常務執行役員の本田でございます。よろしくお願いいたします。一部、ただいま、CCOの山内がご説明した内容と重複するところがございますが、いま一度私のほうから説明をさせていただきたいと思います。本事案は、日産自動車栃木工場、追浜工場、日産車体湘南工場、九州工場およびオートワークス京都工場において発生いたしました、排気、燃費、抜取ガス、抜取検査データに関する事案でございます。

 まず発覚の経緯でございますけど、弊社は、昨年の完成検査問題に対する再発防止策の一環といたしまして、本年4月に日本生産事業本部を立ち上げました。この部門は、法規、法令遵守に向けた取り組みや完成検査におけるIoT化の推進など、再発防止策の具体的な実行を職務とする部署を設置しております。発足以降、法規、法令遵守に関する仕組み、体制、プロセスの総点検を実施して参りました。これは本年2月から生産部門において実施してきた、法令遵守の点検をさらに本年3月26日付けの国土交通大臣からの指示に沿って、さらに強化、追加した「全業務の法令遵守状況の確認」としての取り組みでございます。このような取り組みを進める中、日本生産事業本部は発生した他社事例を基に、排気、抜取検査に関する調査を行ったところ、下記のこれからご説明申し上げます事実を把握するに至りました。

 次に、判明した事実につきましてご説明いたします。排気抜取測定装置の測定端末内のハードディスク、その他の記録媒体に保存されていた、計2187台分のログデータを精査した結果、日産自動車九州以外の全車両製造工場において製造された車両について、現時点で以下の事象が判明いたしました。まず1つ目は、試験環境を逸脱したもの。排出ガス、燃費測定試験を行う際に道路運送車両の保安基準の細目を定める告示、以下告示と申し上げます。が、規定する試験環境の条件に従っていないにもかかわらず、有効な測定結果として取り扱ったものが計690台分確認されました。具体的には、JC08モードが定める速度および時間の条件に沿って走行した車両により測定しなければなりませんが、実際には告示が許容する逸脱時間を超えて走行した、これはトレースエラーと呼んでおります。にもかかわらず、有効な測定結果として取り扱ったものが、計628台分存在しました。

 2つ目に、測定時の試験室内の温度、これは25度プラスマイナス5度、湿度につきましては30から75%の範囲内というふうに規定されていますが、実際には許容範囲を超えた温度や湿度の環境で測定したにもかかわらず、有効な測定結果として取り扱ったものが計62台分存在しました。

 3つ目に、各測定前には測定機器の校正を実施した上で測定しなければならないところを、校正を実施しないまま測定されたものが計35台分存在しました。

 次に、測定値を書き換えたものについてですが、測定値の書き換えを行っていたものが、計913台分確認されました。具体的には設備の操作画面上で、排気成分の測定値の一部書き換えを行っていたものが計808台分確認されました。排気成分と申し上げますのは、二酸化炭素、全炭化水素、ノックス、窒素酸化物ですね。それとメタン、それと一酸化炭素の各データでございます。

 もう1つ、試験室内の乾球温度の測定値や湿度を算出するために使用する湿球温度の測定値も一部書き換えを行っていたものが計228台分確認されました。測定値を確定するに当たっては、測定ごとの平均値を使用します。この測定ごとの平均値と測定ごとの最大値および最小値がログデータ上に保存されておりました。この測定ごとの平均値が測定ごとの最大値、および最小値の外に存在している場合、出ている場合には書き換えがなされたものというふうに定義をいたしまして確認したところ、上記の1、2の事実が判明いたしました。すなわち平均値が最大値と最小値、これがシステムのデータの中に残っていたんですけれども、この外にあるものについては明らかに書き換えがされたものであるというふうに定義づけました。

 次に対象の工場、対象の車種および対象期間については、皆さまのお手元にございます表のとおりでございます。ここは省略させていただきます。

 このような事実が判明したことを受けまして、弊社では以下のようなデータ保存前の書き換えを防止するための対応策を、先ほど山内が申し上げましたように速やかに講じたところでございます。全車両工場において排気抜取検査をいったん停止いたしました。それから再開に当たっては、管理者または監督者を常時立ち会いの下で再開をし、同時にログデータ内のデータが正しいことも確認を行っております。またシステム上、書き換えができないようにシステムの変更を7月末までに行います。

検証の結果についての説明

 では次に、弊社における検証の結果についてご説明いたします。1つ目は排出ガスの保安基準適合性および諸元値の検証でございます。検証の結果、R35(GT-R)を除き、その他全ての車種において保安基準への適合性に加え、型式としての排出ガスの平均値が諸元値を担保できていることを確認しました。R35(GT-R)につきましては生産台数が少ないため、現在生産車を全数測定し、N数を増加させて同様の検証を継続しております。

 2つ目に、燃費の諸元値の検証でございます。検証の結果、全ての抜取検査対象車種が燃費の諸元値を担保できていることを確認いたしました。これら検証の目的ですが、排出ガスの諸元値の検証につきましては、排出ガス測定の検査の方式がまずございます。排出ガスの測定における保安基準は平均値規制を採用しております。平均値規制は、型式指定における全ての生産車両の排出ガスの平均値が平均値の規制値を満足することという考え方でございます。ただし、排出ガス測定は1台当たりの測定に多くの時間を要します。わが社の場合にはだいたい1台当たり2日間を要しております。そのため生産車両の全てについて排出ガスの測定を実施することは現実的ではございません。

 この点を踏まえまして、自動車型式指定実施要領、第6の2は完成検査の一部につき、その方式を明確にした上で抜取検査方式によって実施して良いという旨を定めております。排出ガス測定を抜取検査で行う場合、各社には抜取検査の方式を一部車両の検査結果のみをもって、全ての生産車両の排出ガスの平均値が、平均規制値を満足することを品質管理手法を用いて実施することが求められております。

 弊社における排出ガス検査の考え方でございますが、上記の、今ご説明いたしました排出ガス測定の検査方式を受けまして、社内規定において排出ガス測定を抜取検査方式で行う旨を定めております。同規定に基づきまして弊社は一部車両の検査結果のみをもって、全ての生産車両の検査値の平均値が諸元値を満足することを担保しております。弊社では保安基準が定める排出ガスの規制値よりも大きく低減した値を諸元値として型式指定を受けています。そのため、諸元値を担保できていることを確認することによって、保安基準適合性についても確認しております。

 抜取検査はその性質上、統計的手法を用いて全生産車両が諸元値を担保していることを推定するものです。そのため推定の信頼度を確保するには、一定の抜取検査の対象車両数、以下N数と申し上げますが、N数を確保する必要がございます。検証の目的としましては、測定端末に残存していたログデータのうち信頼性の認められるデータのみを用いて諸元値を担保できているかを検証したものであります。

 次に、燃費の諸元値の検証について説明いたします。本検証では先ほどご説明いたしました、排出ガス諸元値の検証と同様、測定端末に残存していたログデータのうち、信頼性の認められるデータのみを用いて、抜取検査対象車種が燃費の諸元値を担保できているかどうかを検証したものでございます。その検証の方法は、以下の手順を用いて排出ガスおよび燃費の諸元値を担保できているかを検証いたしました。まず1つ目は試験環境逸脱の状態下で測定した車両は、N数から除外するというものです。試験環境を逸脱した状態で計測した車両につきましては、その測定データの全てに信頼性が認められません。従って本検証におきましては当該車両をN数から除外いたしました。

 次にワーストケースによる再計算でございます。測定用の端末に保存されていたログデータのうち、排出ガス、および燃費の検査値が最悪の値となる測定値を用いて、抜取検査対象方式、対象の型式、車種が、排出ガスの諸元値を担保できているか。あるいは燃費の諸元値を担保できているかを検証しました。繰り返しますと、試験条件を逸脱していたものについては、除外をいたしましたということと、先ほど申し上げました最小値、最大値が残っているものについては、その平均値が書き換えられていた可能性がありますので、最小または最高のどちらか。それは測定の項目にもよるんですけれども、最も条件的に不利なものにおいて再計算を行ったというものであります。こういったやり方で検証を行いました。

 その結果、一番最初に申し上げましたとおり、排出ガスにつきまして保安基準にも適合しております。それから諸元値にも担保できているということを確認できました。ただしGT-Rに関しましてはN増しの作業を続けております。燃費につきましても、燃費の諸元値を全ての抜取検査対象の車種で諸元値を担保できているということを確認いたしました。

 最後にまとめになりますけれども、上記のとおりに判明した事実につきましては、現在その原因や背景を含めて徹底した調査を継続して行っております。本件のさらなる原因究明を中心とした調査については、先ほど山内がご説明しましたように、西村あさひ法律事務所に依頼しております。今後、その結果を元に適正な再発の防止策、その見直しも進めた上で、あらためてご報告を申し上げたいと思います。

今回の事案が昨年11月に見つからなかったのは見落としていたからなのか

司会:はい、ありがとうございました。それでは質疑に入らせていただきたいと思います。ご質問のある方は、挙手をお願いいたします。スタッフがマイクをお持ちいたしますので、そのマイクを通して、ご質問いただければと思います。できるだけ多くの方にご質問頂戴したいので、お1人、2問まででお願いできればと思っております。じゃあよろしくお願いします。では一番前の方。

朝日新聞:朝日新聞の【キムラ 00:27:53】です。2点お伺いします。昨年11月に完成車検査についての調査報告書を出しているかと思うんですが、そこで今回の事案が見つからなかったのは、それを見落としていたということでよろしかったんでしょうか。その場合、先ほどから申し上げているように、おっしゃられてるように、再発防止策を徹底した結果見つかったというような評価が成り立つのかどうか、その辺りの見解を教えてください。それが1つ目です。2点目が、今回の記者会見の場に西川社長ご自身が出られていないのはどうしてなのか。今までの不正の検査、完成検査の問題についても西川社長がご自身の声で会見されてますし、同じ事案でSUBARUさんの例があると思うんですが、SUBARUさんの場合も当時の社長が会見してると思うんですが、なぜこの場にいらっしゃらないのか、この2点をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

山内:それでは山内からお答えをさせていただきます。まず完成検査の問題、昨年の時点でこの問題が見つからなかったのかというご質問ですけれども、ご指摘のようにこの抜取検査というのは、完成検査の項目の1つでございます。昨年の問題というのは完成検査において検査員としての資格を持っていない人間が検査に当たっていたということが問題でございました。そのためにまず、私どもは認定をされた完成検査員が全ての検査に従事をする。それ以外の人間が決して完成検査には従事をしないということ。それから、それが1つですね。

 それから完成検査の方法は国土交通省のお届けをしている方法にのっとって検査をされているというこの2点を徹底的に担保をすることを対策のまず基本としてまいりました。そういった意味で、この完成検査の抜き取りの部分、これにつきましてもまず完成検査員が検査をしているかという確認をいたしております。間違いなく完成検査員の資格を持った人間が抜き取りの検査を実施しておりました。また検査の方法につきましても確認をしております。そのときは、車両、動作確認等を含めて検査が行われていると、お届けどおりの工程で行われているということが確認をできたと認識をしておりました。それ以降、工場の生産工程の中で、工場に関する生産活動に関する全ての活動について、もう一度徹底的に、法令に遵守をしているかどうかの確認を進める中でこの問題を把握するに至ったということでございます。先ほど本田が申し上げたようにこの経緯の中の1つとしては他社の事例があったということで、特にこの部分にフォーカスをして、もう一度機械の中まで調べたところ、このような問題を把握するに至ったと。こういうふうに理解をしていただければというふうに思います。

 次のご質問ですけれども、なぜ社長が、西川がここにいないのかということでございますが、この完成検査の問題、昨年の完成検査の問題以降、この対策と実行についてはその責任について、私、山内が対策、実行の責任者であるというふうに、社内で西川の指示の下に決められております。従いまして、この一連の問題につきましては私が中心となって対策を実施してまいりました。その上で前回もご説明をしたかと思いますけれども、毎月の経営会議の中で西川が議長をしている経営会議の中で対策の進捗を報告をし、必要であれば経営会議で議論をし、指示を仰ぐということで進めてまいりました。従いまして今日、この場でこのような事例を把握したことにつきまして、まずは説明、皆さまに説明をするのがこの対策を実行してまいった、私がその任に当たるべきというふうに考えて本日私がここに、説明に上がったというふうにご理解いただきたいと思います。以上です。

司会:はい、ありがとうございます。では真ん中の方。

経営陣の責任の取り方について

読売新聞:読売新聞の【イシバシ 00:33:37】です。2点質問させていただきます。まず経営陣の責任の取り方に関してなんですけれども、SUBARUさんで完成検査問題、それから排出ガスの問題、同様の問題があったSUBARU、もしもし。同様の問題があったSUBARUさんで、社長が交代して、CEOも辞められたという中で、西川社長、それから物づくりで責任を持っている山内さん、もしくはゴーンさんの責任の取り方なんですが、この前の完成検査問題では報酬の一部返上等を行うということでしたけれども、実際それを行ったかを含めて、どのように責任を取っていくのかというのをまず1点教えてください。

山内:前回の完成検査問題、完成検査の問題のときにもご説明をしたかと思いますけれども、この問題も、今回、データ、後ほど説明があるかと思いますけれども、実際に機械のログデータとして残っているものが車によって、工場によって違ったりしています。つまり今確認をされている、今われわれがデータで確認をされる限り、それが1年前であったり3年前であったり車によって違うんですが、長い、それなりの期間、こういった行為が行われていたというふうに認識をせざるを得ない状況にあります。

 その上で、西川含め、われわれ経営陣がまず成すべきこととして、なぜこういうことが起きているのかということについて的確に把握をして、原因を徹底的に究明して、これが、こういったことが二度と起こらない仕組みを作り上げるということが、今、経営に当たっている私どもの責任であるというふうに考えております。これは昨年ご説明をしたときと変わらず、われわれとしては、私も含めて、今回、自主点検の中で見つかった事例ではございますけれども、こういったことがいまだに続いていた、また発覚をしたということについてさらに原因の深掘りをして、こういうことが絶対に起きない仕組み、プロセスを作り上げることは、第一義的な責任であるというふうに考えております。

 報酬の返上をしたか、しないかというご質問がもう1つあったと思いますけれども、先ほど、前回、西川が申し上げたのは、自主的に一部の役員が報酬の返上をしていると、すると。西川はしてますというふうにお答えしたと記憶をしております。私はほかの役員について、これについて述べる立場ではございませんけれども、私がどうであったかというと、私も報酬を返上しております。以上でございます。

読売新聞:すいません、2点目の前に1点目でちょっとあれなんですが、今回の問題に関しても報酬の返上等を行う考えはあるんですか。

山内:今、原因の究明と、これから再発防止策を立てる中で検討していきたいというふうに考えております。

読売新聞:で、2点目なんですが、今回、西村あさひさんの調査が行われるということですが、これ、終わる時期は今のところいつごろというふうに考えてらっしゃいますでしょうか。

山内:すでに一部のヒアリング等を開始しておりますけれども、最低ひと月ぐらいは掛かるのではないのかなというふうに考えております。

司会:次の質問です。じゃあ一番前の方。

【連載】日産が燃費・排ガス検査で不正 全文3へ続く

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