2017年度東京都予算案 一般歳出5兆円 重要施策は増額の「メリハリ予算」

  • 2017年2月17日
  • THE PAGE

 小池百合子東京都知事が8月に就任して約半年。初めて編成した2017年度都予算案が1月末に公表され、22日から始まる都議会で審議されます。「東京大改革」を掲げる小池知事の政策的経費にあたる一般会計の歳出は約7兆円となりました。そのうち東京五輪の競技施設整備や道路整備など社会資本の形成に係る「投資的経費」は13年ぶりに前年度を下回って1兆736億円になっています。
 
 「2017年度東京都予算案の概要」の歳出を中心にみていきます。

一般歳出は前年度比微減の5兆642億円

 「一言で29年度予算について申し上げるならば、メリハリのついた予算でございます」。小池知事は新年度予算案公表の会見でこのように強調しました。

 新年度予算のうち、一般会計歳出額は6兆9540億円です。そのうち、公債費など税に関する経費を除いた、都の社会保障費や公共事業費などの政策経費にあたる「一般歳出」は前年度より291億円少ない5兆642億円(前年度比0.6%減)となりました。

 一般歳出の内訳をみると人件費、維持補修費など毎年度固定的に支出される「経常経費」は3兆9906億円(前年度比0.2%マイナス、66億円減)、道路整備や学校建築など社会資本の形成にかかる「投資的経費」は1兆736億円(同2.1%マイナス、225億円減)となっています。

 また「公債費」は、過去に発行した都債の償還を進めた結果、前年度比13.6%増の5002億円でした。都税として一旦徴収後、市町村や特別区に一定割合交付することになる「税連動経費等」の項目は1兆3896億円(同4.7%マイナス、678億円減)を見込んでいます(表1)。

経常経費は給与関係費が抑えられたことで減少

 経常経費では、「給与関係費」が前年度より94億円少ない1兆5702億円(0.6%減)に抑えられています。これは東京五輪・パラリンピック準備などで職員定数が増えていますが、退職手当は減ったため、としています。

 一方で、少子高齢化対策や中小企業への支援など都政課題に対応するため、「その他の経常経費」は前年度より28億円増え、2兆4204億円となりました。

 また、投資的経費は前年度を13年ぶりに下回りました。こちらは、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)の事業進捗や東京五輪・パラリンピック選手村の用地所管経費が減少したことなどを理由としています(グラフ1)。

待機児童対策には大幅増額

 投資的経費は減額となりましたが、小池知事が実現を目指す「ダイバーシティ」「スマートシティ」「セーフシティ」の主要施策は増額しました。なかでも、「まさに待機児童ゼロというところを目標」(小池知事)とした「子供を安心して産み育てられる環境の整備」のための予算には前年度より417億円多い1630億円がつきました。

 ほかにも「誰もが優しさを感じられるまちづくり」(トイレの洋式化の推進、動物の殺処分ゼロに向けた取り組み等)は前年度86億円増の168億円、「国際金融・経済都市の実現」(起業・創業の促進、外国企業発掘・誘致など)が前年度より90億円上乗せした3684億円になるなど、大きく増額しています。「多摩・島しょの振興」にも前年度より193億円多い2393億円がつきました(表2、3)。

 「メリの部分といたしましては、投資的経費を13年ぶりに減といたしました。一方で、ハリの部分でございますけれども、福祉と保健分野への支出が待機児童の解消に向けました取り組みを充実させるということ」「これは過去最高の額といたしております」(1月25日、予算案公表会見より)。

 財政規模は前年度より微減になっていますが、歳出の中身をみていくと事業間に減額と増額の「メリハリ」を意識的に付けたことで、小池知事が重点的に推進したい施策は何か、うかがうことができる予算編成となっています。

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