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八十八夜は縁起の日。新茶の季節、はじまりました

  • 2022年5月2日
  • tenki.jp

5月2日は「八十八夜」。立春から数えるため「八十八夜」はその年の立春にあわせて変わります。
晩春に降りる霜のことを「八十八夜の別れ霜」と言うそうで、この頃に霜や寒さがあっても、これが最後、季節は春から初夏に移ろっていくと言われています。このため、茶摘みや稲の種まきがうまくいく、豊作や成功にかかわると言われています。「八十八夜」は、末広がりの「八」、完成形の「十」や、「米」という漢字にもつながり、非常に縁起の良い日だと言われているのをご存知でしょうか。GWの期間に何か新しいことを始めたり、実現したいことに着手したりと、絶好の時期かもしれませんね。
さて、八十八夜の季節から5月末までに摘まれたお茶を新茶といいます。茶道家にとっても重要な季節。茶葉が美味しいだけでなく、11月から使用した炉をふさぐことでお茶の一年が終わり、風炉をしつらえまた新しい1年が始まる特別な季節です。本日は、日本のお茶の世界の魅力に迫りたいと思います。

聞いたことはあるけれど……「煎茶」「かぶせ茶」「手もみ茶」「深蒸し茶」「棒茶」「粉茶」「抹茶」って何?いろいろな製法と茶葉の種類

「煎茶」
一般的なお茶。日本茶の8割は煎茶と言われています。カテキンの渋み、カフェインの苦み、テアニンの甘みが自然に調和し、爽やかな味わいです。煎茶を作るまでに、茶葉を蒸しますが、よく何倍も蒸して、茶葉にしっかり火をいれたのが「深蒸し茶」です。70〜90℃で30秒〜1分で淹れるのが目安。お手頃価格のお茶ですと、高い温度で短めにいれるとさっぱりと美味しくいただけます。

「かぶせ茶」
収穫の前に2週間程度、寒冷紗などで日光をさえぎることで、うま味や甘みの感じられるテアニンを増やします。
色は玉露より黄色がかっています。もともとは、煎茶や玉露にブレンドされることが多かったようです。65〜70度でいれるとおいしいと言われています。


「玉露」
かぶせ茶よりも長く約1か月程度、日光をさけることで、カテキンを抑え、うま味甘み成分を増していきます。甘みを楽しむお茶ですので低温でじっくりといれます。とろりとした味わいで深い緑になります。40〜60℃で2〜3分が目安。

「手もみ茶」
現在は茶葉を作るまでに、蒸したあと揉んで香をだし、香りが保たれつつ保存ができる水分量にするために、機械を使うこともありますが、職人の手で茶葉をもみながら、何時間もかけて作られるのが「手もみ茶」です。職人の人数も限られており、この季節の新葉を使って作られます。

「棒茶(茎茶)」
煎茶を作る際に蒸した茶葉から茎の部分を集めて仕上げたのが棒茶です。こちらを、香ばしく焙じたのが、「ほうじ茶」。香りを楽しむために、熱湯や高めの温度で淹れることが多いお茶です。

「番茶」
お茶の収穫は一般的に1年に3〜4回。4〜5月に摘まれるお茶は「一番茶」「新茶」と呼ばれます。番茶は、一番茶と新茶を除いたそれ以外の総称です。

「抹茶」
煎茶のように揉まずに、そのまま茶葉を天日で乾燥させた「てんちゃ」を石臼などで曳いたものです。茶会などでいただく抹茶は、玉露と同じように日光を遮り甘みの他に青のりのような独特の香りを引き出した茶葉を使います。かつては日光を防ぐのに、ヨシズや藁を使うのが一般的でした。現在は、スイーツなどに使う苦みもあるものは、日光を防がず自然の茶葉を使った抹茶を用いることも多くなっています。一服いただくための抹茶は、茶葉の種類によっても味や香りが異なり、さらにはこれらの茶葉のブレンドによって組み合わせは製造者によります。いろいろ試すことでお好みのものが見つかるのではないでしょうか?

「粉茶」
抹茶や煎茶を作る過程でできた粉をいただきます。茶葉そのものをいただきますのでとても健康的です。


参照:
伊藤園 お茶百科

器から器に移し替えると5〜10度さがることを覚えて狙ったお湯の温度にしてみましょう
器から器に移し替えると5〜10度さがることを覚えて狙ったお湯の温度にしてみましょう


お茶の歴史

日本のお茶の歴史のはじまりは、平安時代に、最澄(さいちょう)が、唐よりお茶の種子を持ち帰り比叡山のふもとに植えたことからと言われています。鎌倉時代の初期に、栄西が中国より持ち帰った種子はさらに質がよく、佐賀県脊振山(せぶりさん)に植えられました。鎌倉前期の僧侶、明恵上人(みょうえしょうにん)が栄西よりその種子を譲り受け、京都の栂尾(とがのお)に蒔き、お茶の栽培がさかんになっていったと言われています。宇治や静岡はこのころから名産地になりました。
最初は、上流階級だけの楽しみでしたが、栄西は『喫茶養生記』を書き、美味しいだけでなく健康にもよいことを広めました。お茶の栽培ができるようになるとお茶を飲む習慣が武士階級に広まり、さらに鎌倉時代の末期には中国南宋の「闘茶(とうちゃ)」が流行します。「闘茶(とうちゃ)」とは、お茶の味を飲み分けて、産地や茶葉をあてて勝敗を競う遊びです。風流ですね。
お茶は、このように大勢で楽しみ遊びの趣向のはいった贅沢なものでしたが、しだいに簡素で落ち着いた草庵でいただくお茶が広まっていきました。この「わびさび」の精神が受け継がれ、お茶の形式として確立していったのが千利休です。

参照:
「はじめての茶道」学校茶道教本編集委員会

仕上げに茶筅をやわらかく細かく動かし、泡を均等に
仕上げに茶筅をやわらかく細かく動かし、泡を均等に

ストレスを軽減するマインドフルネスとお茶の関係

対人の交流や外出などの自由が制限され、働く環境が変わってしまったり仕事が減ったりと、生活様式も大きく変わったコロナ禍では、無意識のうちに不安やストレスは増大しています。ストレスを軽減すると着目されている「マインドフルネス」は、過去のことを悔やんだり、将来のことで不安にとらわれたり「心ここにあらず」「マインドワンダリング」の状態とは対極にある心の在り方です。
「今、ここ」に意識を切り替え集中できる力をつけることで、リラクゼーションによる自律神経が整い落ち着きが取り戻されるだけでなく、「今やるべきこと」や「自分にできること」に意欲をもって集中していけると言われています。
瞑想から宗教的な要素をとり除き、神経科学的なコツを抽出してトレーニングを実践していくのが「マインドフルネス」。続けることで脳の機能もあがるとも言われています。

お茶を煎じたり、抹茶をたてたり。お茶の美しい色がじんわりと出てくる様子や季節のお菓子を楽しんだり、お部屋の軸やお花を拝見して味わったり。おいしくいただけるお湯の温度を考えたりしてお茶をおもてなしする人の心をおもんばかってみる。自分自身の所作や今の時間と空間、おもてなしする人とされる人のつがなりに全意識を集中し、深く味わうのが茶道なのだとすれば、「マインドフルネス」で実践しようとしている全てのことは、お茶を頂くことにも含まれており、満たされていくように思います。

新茶の美味しい季節です。皆様も、香り高い季節の新茶で、味わい深い時間にゆったりとひたり「今、ここ」を感じてみませんか?

新茶の茶葉
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