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長月ともよばれる9月、季節の深まりのなか歳時記を開きましょう!

  • 2021年9月1日
  • tenki.jp

9月になりました。旧暦では長月とよばれます。この名は日本書紀や万葉集にも記載があり、古くから親しまれていたことがわかります。その由来となると明確なものはなく、秋の深まりとともに長くなる夜に注目した「夜長月」からきたのではないか、などともいわれています。平安時代の歌人・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の歌、
「秋深み 恋する人のあかしかね 夜を長月と いふにやあるらむ」
のように歌人たちの心情が大きく影響しているのかもしれません。新暦でも9月の別名として今でも使われています。「初秋」から「仲秋」へ歳時記を開き、暮らしの風情を感じていきませんか。

9月の初めは自然への畏れを忘れぬ日。二百十日、震災記念日

二百十日は立春から数えて210日目。例年は9月1日または2日あたりにきますが、今年は立春を2月2日と珍しく早く迎えたため、二百十日も8月31日でした。稲が開花する時期であり、台風もまた日本に向かってやってくる頃と重なります。強い風でせっかく開いたコメの花の花粉が飛ばされてしまっては、豊かな稔りの結びができません。米作りに携わる人々にとっては、とても重要な日となります。現代では稲の開花が全体に早まっているといわれ、稲作への影響は以前ほど厳しいものではないということですが、台風や大風を恐れる気持ちに変わりはありません。
9月1日は「震災記念日」です。今から98年前の1923(大正12)年9月1日の正午直前、マグニチュード7.9と推定される大地震が、相模湾付近を震源に発生しました。「関東大震災」です。東京・横浜を中心に関東・静岡・山梨などにもたらされた被害は甚大なものでした。
家庭ではちょうど昼ごはん時、当時は竈(かまど)や七輪が調理に使われており、火の手は一斉にあがり、おりからの強風にあおられ非常に大きな火災被害が起こったのです。
失われた多くの方への慰霊とともに、防災の意識を喚起する日として忘れてはならない日です。
平成に入り、日本では阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、そして東日本大震災と大きな災害にみまわれました。自然の力のすさまじさの記憶はしっかりと私たちの中に刻まれています。過去の災害から学び、これから起きるかもしれない災害へ備えていく。私たちにできることは何かを思い出し確認していく日、といたしましょう。


9月のお祝い事「重陽の節句」と「敬老の日」

陰と陽、相反するふたつの性質をもった気。このふたつが互いに作用しあって天地の万物は成り立っている、という考え方が古代中国で発達した易学の根本です。日本でも陰陽道をつかさどる陰陽師が活躍したように、この考え方が生活に深く根付いてきました。積極的な性質を持つ「陽」と消極的な性格を持つ「陰」。数字でいえば奇数が陽の数、偶数が陰の数となります。
「9」は陽の数字の最も大きなもの。9月9日は「陽」がふたつ重なるめでたい日として、宮中では古来「重陽の宴」を催し、祝ってきました。陰暦でいえばちょうど菊の花の盛りのころ、菊を愛で菊の花を浮かべたお酒を酌み交して長寿を祝う「菊の宴」ともいわれたそうです。
長寿を祝う日、それは9月の第三月曜日「敬老の日」です。今年は9月20日になります。長く社会で働き貢献してきた方々への感謝の日。この日ばかりは、普段照れくさくて言えない感謝のことばを伝えることができますね。元気で長生きの方が増えていますが、やはり年齢を重ねればそれなりに身体に負担を感じてきます。電車などの乗り物ではぜひ、席を譲って差し上げてください。また「どうぞ」と声をかけられたら、ここは頑張らずに「ありがとう」と好意を受けていきましょう。思いやりと感謝の温かい空気が生まれ、そばにいても嬉しいものです。

「仲秋の名月」をながめたら、いよいよ秋は夜長へ!

陰暦の8月15日の夜に見える月をさして「仲秋の名月」といいます。今年の「仲秋の名月」は9月21日。嬉しいことに今回は満月も同じ日。名月となる満月を眺めることができるのです。もちろんお天気が良ければ、ですが楽しみですね。
実は「仲秋の名月」は必ずしも満月とはならない、ということです。満月が見えるのは太陽と地球と月が一直線に並んだ瞬間。月の公転軌道は楕円形のため新月から満月までの日数が常に一定にはならない、このようなことから、陰暦の8月15日がいつも満月になるとは限らないのです。とはいえ、ほぼ満月に近いお月様を眺められますから、名月の美しさにかわりはなく充分に楽しめます。
「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」 芭蕉
「名月を とつてくれろと 泣く子かな」一茶
名句には、年月を越えて月を愛でる心の動きが伝わっているのを感じます。
名月から2日後の23日は「秋分の日」です。秋の彼岸の中日でもあり先祖へ祈りを運ぶ時です。この日を境にいよいよ昼より夜の方が次第に長くなっていきます。「暑さ寒さも彼岸まで」厳しい残暑もこのあたりにはおさまっていくようですよ。やがて日暮れが早く感じられるようになり、静かな夜「秋の夜長」のお楽しみが始まります。このころには温かいお茶を飲みながら虫の声に耳を澄ませるのもいいですね。

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