台風10号の動きは遅く、総雨量はさらに増え、甚大な災害発生の恐れ。普段大雨の降りやすい場所でもこれまでの記録を上回る記録的大雨となり、あまり雨の降らない地域でも、災害が発生するような雨に降り方になる恐れがあります。最大級の警戒が必要です。
台風10号は、今日29日午前8時頃、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸し、正午現在、熊本県八代市付近を時速15キロで北上中です。
明日30日にかけても速度が遅く、24時間かけて、九州をやっと縦断するような速度です。明日30日から明後日31日にかけても四国を通過する際に速度が上がらず、9月1日頃は近畿地方でほとんど停滞する見込みです。特に、西日本を縦断する際の速度がかなり遅いため、影響が長引くでしょう。
また、この先の予報円がかなり大きくなっているのは、まだ進路が定まっていないことを示しています。9月に入っても近畿や東海、北陸、関東、東北など台風の影響が続く見込みで、警戒が欠かせない期間がまだまだ長丁場となるでしょう。
台風10号の上陸した九州では、記録的な大雨となっています。
正午までの72時間降水量は、宮崎県美郷町神門で821.ミリ(8月1位を更新)、えびの高原で769.5ミリなど雨量が増え続けている所があり、宮崎市内では竜巻の被害も相次いで発生しています。
また、台風10号の北側には前線が停滞しているため、西日本から東日本の広い範囲に帯状に雲がかかり、局地的に発達しています。
台風からかなり離れた場所でも大雨になっている所があり、三重県津市では正午までの1時間降水量が73.0ミリの非常に激しい雨を観測しました。
台風10号によってすでに九州を中心に記録的な大雨となり、台風からかなり離れた場所でも局地的に大雨となっています。愛知県では土砂災害が発生し、被害も出ました。
今後も台風10号の動きが遅く、西日本で停滞気味となるため、普段大雨の降りやすい場所でもこれまでの記録を上回る記録的大雨となり、あまり雨の降らない地域でも、災害が発生するような雨に降り方になる恐れがあります。最大級の警戒が必要です。新たに甚大な災害が発生するリスクが高まるでしょう。
身の安全を第一に、荒天時間は移動を控える、安全な場所にとどまるようにして災害に巻き込まれることのないように最大限に警戒を続けてください。
広い範囲で大雨となる見込みです。早めの避難を心がけ、すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。
29日12時から30日12時までに予想される24時間降水量(多い所)
関東甲信地方 250ミリ
東海地方 300ミリ
近畿地方 200ミリ
中国地方 150ミリ
四国地方 400ミリ
九州北部地方 400ミリ
九州南部 400ミリ
その後、30日12時から31日12時までに予想される24時間降水量(多い所)
関東甲信地方 200ミリ
東海地方 300ミリ
近畿地方 300ミリ
中国地方 200ミリ
四国地方 400ミリ
九州北部地方 200ミリ
九州南部 100ミリ
その後、31日12時から9月1日12時までに予想される24時間降水量(多い所)
関東甲信地方 150ミリ
東海地方 400ミリ
近畿地方 300ミリ
中国地方 120ミリ
四国地方 150ミリ
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間
九州南部・奄美地方…宮崎県、鹿児島県(奄美地方を除く) 30日午前中にかけて
九州北部地方…山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県 30日午後にかけて
四国地方…徳島県、愛媛県、高知県 30日夜にかけて
東海地方…岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 29日夜から30日午前中にかけて
西日本では30日にかけて猛烈な風が吹く所があり、31日は東日本でも非常に強い風が吹く所がある見込みです。
29日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
中国地方 18メートル(30メートル)
四国地方 25メートル(35メートル)
九州北部地方 35メートル(50メートル)
九州南部 35メートル(50メートル)
奄美地方 18メートル(30メートル)
30日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東海地方 17メートル(30メートル)
近畿地方 25メートル(35メートル)
中国地方 25メートル(35メートル)
四国地方 30メートル(45メートル)
九州北部地方 30メートル(45メートル)
九州南部 25メートル(35メートル)
31日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東海地方 20メートル(30メートル)
近畿地方 25メートル(35メートル)
中国地方 25メートル(35メートル)
四国地方 23メートル(35メートル)
九州北部地方 18メートル(30メートル)
九州南部 18メートル(30メートル)
西日本や東日本では31日にかけて、うねりを伴って大しけとなる所があるでしょう。海上海岸付近は危険ですので、絶対に近づかないでください。
29日に予想される波の高さ
近畿地方 5メートル うねりを伴う
四国地方 7メートル うねりを伴う
九州北部地方 7メートル うねりを伴う
九州南部 8メートル うねりを伴う
奄美地方 6メートル うねりを伴う
30日に予想される波の高さ
東海地方 6メートル うねりを伴う
近畿地方 6メートル うねりを伴う
四国地方 7メートル うねりを伴う
九州北部地方 7メートル うねりを伴う
九州南部 6メートル うねりを伴う
奄美地方 5メートル うねりを伴う
31日に予想される波の高さ
東海地方 6メートル うねりを伴う
近畿地方 6メートル うねりを伴う
四国地方 6メートル うねりを伴う