日本気象協会は、2024年8月から10月にかけての台風の見通しを解析しました。日本気象協会独自の予報モデルでの解析によると、8月以降の台風は、発生数は概ね平年並みの予想である一方、本土への接近数は平年より多い傾向です。
8月になり、台風シーズンに入り始めました。
日本気象協会が独自の予報モデルで解析した2024年8月から10月の台風の見通しによると、台風の発生数は8月は平年並みか少なく、9月から10月は平年並みと予想しています。
昨年の春からエルニーニョ現象が発生していましたが、この先秋にかけては、ラニーニャ現象へ推移していく可能性が高く、インド洋の海面水温が下降し、西部太平洋熱帯域で海面水温が上昇すると予想されます。それに伴い、西部太平洋熱帯域では積乱雲の発生が活発化し、台風の発生が増えると予想されます。
上記の理由から、この先の台風の発生数は8月まで平年並みか少なく、9月以降は増えて平年並みとなるでしょう。
2024年8月から10月の台風の本土への接近数について解説します。
目先の8月は、本土のすぐ南で台風の卵である熱帯低気圧が発生しやすい状況になっています。発生数は平年と比較して多くないものの、台風が発生すれば本土に接近しやすい状況になっているため、接近数は平年より多くなるでしょう。
台風は太平洋高気圧の縁を回って日本付近に近づく特徴があります。9月以降は、台風発生数が増えることに加え、太平洋高気圧の後退が遅くなる見通しのため、発生した台風が本土に近づきやすい予想となっています。
このため、この先の台風の本土への接近数は、8月から10月は平年並みか平年より多くなるでしょう。
※本土:本州、北海道、九州、四国
日本気象協会では、約2か月前にも2024年の台風傾向を発表していました。
6月4日に公開した情報では、6月と7月の台風の予想発生数と予想接近数についても発表していましたので、それらの結果の比較を行います。
台風の発生数について、6月は1〜3個(平年並み)と予想していたのに対し、実際は0個(平年より少ない)という結果でした。7月は1〜4個(平年並みか少ない)と予想していたのに対し、実際は2個(平年より少ない)という結果でした。
台風の本土への接近数について、6月は0〜2個(平年並み)、7月は0〜2個(平年並みか少ない)と予想していたのに対し、実際は6月・7月共に0個(平年並み)という結果でした。
6月の発生数については予想が外れたものの、7月の発生数や6・7月の本土への接近数については概ね的中しており、夏前半の6月から7月は、本土については台風による直接的な大きい影響はありませんでした。
ただし、前に説明したように、8月以降は平年よりも多い傾向で本土へ台風が接近する傾向であると予想されていますので、台風への備えをするようにしてください。
台風に備えて、ハザードマップや避難場所を確認しておきましょう。
ハザードマップは、国土交通省や各自治体のホームページなど、インターネットからハザードマップを入手することが可能です。ハザードマップは随時更新されますので、定期的に確認するようにしましょう。
ハザードマップからは、家の周辺で浸水(河川浸水・高潮浸水など)の可能性がある場所や、土砂災害(崖崩れ・土石流・地すべりなど)の危険性の高い場所を把握することができます。
また、自宅付近の避難場所(指定緊急避難場所)を確認しておきましょう。避難場所は災害の種類によって異なります。「浸水や土砂災害の場合の避難場所」をしっかり確認するようにしてください。
さらに、避難場所までの避難経路を知っておきましょう。河川が増水した場合や高潮・高波でも安全に避難できるか確認してください。
周辺地域で過去に起きた災害を把握し、起こりやすい災害を知っておきましょう。