来週から7月となりますが、太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線が日本海に停滞しやすくなるでしょう。1日(月)は梅雨前線が北陸地方を南下して、警報級の大雨となるおそれがあります。さらに、その後も梅雨前線が北陸付近に停滞しやすく、太平洋高気圧の縁を廻る暖かく湿った空気が西や北西方向から流れ込んで、北陸地方で大雨となりやすい気圧配置が続くおそれがあります。この週末は大雨への備えをしておきましょう。
30日(日)は、大陸方面を低気圧が進み、梅雨前線が一気に日本海まで北上するでしょう。1日(月)は、いったん北上した前線が北陸付近を南下する見込みです。
前線が日本海から南下をする形は北陸地方にとっては大雨となりやすい気圧配置の一つとなります。前線に向かって暖かく湿った空気が入るため、前線の活動も活発となります。
前線通過時は、局地的に激しい雨や非常に激しい雨の降るおそれがあり、警報級の大雨となるおそれもあります。土砂災害や低い土地の浸水・河川や用水路の急な増水に注意・警戒してください。
2日(火)以降も大雨に警戒が必要です。図は、ヨーロッパの気象モデルの予想となっていますが、少なくとも3日(水)までは前線が北陸付近に停滞して大雨となるおそれがあります。
これは、太平洋高気圧の勢力が強く、梅雨前線の南下を妨げていることによりますが、太平洋高気圧が西に勢力を大きく張り出した形となっており、太平洋高気圧の縁を廻る湿った空気が南からではなく、西の方から流れ込みやすくなります。
暖かく湿った空気が西や北西方向から流れ込んだ場合、北陸地方にとっては海から直接湿った空気が入ることになりますので、大雨リスクが高くなります。昨年や一昨年に北陸地方で線状降水帯が発生した際も、暖かく湿った空気が西や北西の方向から流れ込んでおり、2011年や2004年に発生した新潟・福島豪雨も暖かく湿った空気が北西から流れ込む形となっていました。
ただ、太平洋高気圧の勢力の予測(≒梅雨前線の位置の予測)は期間の終わりになるほど不確実性があり、3日(水)以降は前線の南下・弱まりを早めている気象モデルもあるなど、ばらつきがあります。最新の情報をご確認ください。
週明け以降は北陸地方で大雨が続くおそれもあることから、この週末で大雨に対する備えをしておきましょう。
ハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を複数確認しておきましょう。川や用水路の近く、危険なガケのそば、アンダーパスなど、大雨時に特に危険な場所を避けて避難できるように、避難経路を想定しておきましょう。
非常用品も確認しましょう。賞味期限切れの非常食や使用期限の過ぎた乾電池などはこの週末のうちに買い足しておきましょう。家中電灯やラジオなどが正常に作動するかも確認した方が良いでしょう。
ベランダの排水溝や道路の側溝などの掃除も行いましょう。落ち葉や土が入り込んでいると排水機能が低下して、早い段階で冠水してしまう恐れがあります。