「叢」という植物を扱う店が広島にあります。
ここはサボテンを販売しているのですが、これがとても美しい。思わず息を呑むほどの造形をしており、もはや芸術です。
今回は、その「叢」を特集します。
叢は“いい顔してる植物”をコンセプトに、その植物が本来持っている美しさを極限にまで高め、もはや芸術作品にまで仕立てあげています。
店主自らが日本各地を巡り個性豊かな植物を見つけ、さらにその植物の良さを高める器に入れて作品を仕上げます。
店主は植物を探す場を叢と呼んでいるので、店名が叢となりました。
英語表記では「Qusamura」で「“K”usamura 」ではありません。あえてKをQにしています。
これはお客様に「これなに?」と『Q』uestionをもって、不思議な気持ちとともに叢の作品に接してほしいとの願いを込めているのです。
次に、販売されている作品をご紹介したいのですが、本当に多種多様なものがあり、到底ここでは紹介しきれません。
そのためごく一部のおすすめ作品を挙げます。
まず1つ目はユーフォルビア 春駒(はるこま)。
淡い赤土色の和風鉢に鮮やかな緑色のサボテンが映えます。
サボテンの形状は細長く、それでいて僅かに傾いています。
そして茎に入っている白い模様は、全体の落ち着いた雰囲気の中に、程よい力強さを演出します。
一般的なサボテンとは比べ物にならない美しさです。
続いてはキリン角錦綴化(かくにしきてっか)。
こちらは全体が緑で、その中にちらほら黄色が混ざっているという色味。
統一感がありつつ差し色のような黄色があるのでとても美しいです。
鉢の色は味のある白。全く植木の邪魔をせずに引き立てています。
形状は上にいくにつれて左に傾きます。
まるで盆栽のような美しさがあります。
その反面、洗練されていてスタイリッシュなため、モダンな雰囲気も伺えます。
盆栽という古きを温めて新しきを知っている、温故知新の洗練された作品と言えます。
3つ目は竜角ゴジラ。
こちらは円柱の茎の上にバラの花のような疣(いぼ)がついています。
全体的に緑を貴重とした美しい色味です。
何よりその形状が美しく、すっと伸びた茎の上にある、少し丸みを帯びたバラ状の疣(いぼ)が見る者を魅了します。
このような複雑な造形はなかなかお目にかかれません。
叢の作品を見ると、サボテンという植物には無限の造形があり、どれも美しい表情があることを思い知らされます。
これまであなたが持っていた植物に対する考えを覆してくれること請け合いです。
インテリアでなく“作品”としての植物。是非一度御覧ください。
※トップ画像はPhoto by mimiさん@GreenSnap