サイト内
ウェブ

むかしむかしのコーヒーのはなし

  • 2017年1月19日
  • 植物生活

どうして人は花が好きなのか、なぜ人は花に意味を持たせるのか。
考花学のすすめ

vol.3 むかしむかしコーヒーは

朝一番にコーヒーを飲むことを日課にしている人も多いと思います。
コーヒーをすすりながら
「いつ頃からこんなふうにして飲んでいるのだろう」
と思いたちました。
いわゆるコーヒー豆はアカネ科コフィア属の常緑樹コーヒーノキの種です。
これを焙煎し粉にしたものに熱湯をくぐらせて得られる飲み物を
私たちはコーヒーと呼んでいるわけです。
コーヒーというと南米、特にブラジルが有名ですが、
コーヒーノキの起源は遠く大西洋を隔てたアフリカにあります。

エチオピアの高地には古くからコーヒーノキが生え、
人々は当初甘く赤い果実を食べ、
いつしか種を水から沸かして得られる汁を飲むことをおぼえたのです。
これを飲むと目が覚めるという噂は
海を越えてアラビア半島に広まりました。
9世紀にはアラビアの医師の推薦もあって
コーヒーノキがアラビア半島最南端の地、
イエメンに伝えられます。
イスラム教徒の中でも瞑想による修行法を好んだ
スーフィー信者はコーヒー豆からできた飲み物を
眠気覚ましのため愛飲しました。
コーヒー豆の持つカフェインの効能の発見です。

スーフィー信者だけではなく多くの人々が
この飲み物の虜となり、13世紀になるとコーヒー豆を
黒くなるまで炒って磨り潰したものを
水の中に入れ沸かして作った飲み物が工夫されます。
これが現在我々の飲んでいるコーヒーの原形です。
よりかぐわしく、より香ばしくなった飲み物を求めて
コーヒー豆貿易が盛んとなり、
イエメンはその中心地となり大いに栄え
「幸福のアラビア」とまで呼ばれました。
港町モカはコーヒー豆取引の中心地となり、
コーヒーノキはアラビアに因んでアラビカ種、
最上級のコーヒー豆は港町の名前に因んでモカ・コーヒーとそれぞれ呼ばれました。

コーヒーを飲む習慣はアラビアからトルコに伝えられ、
トルコからベネチアを皮切りに広くヨーロッパ各地へと伝わります。
18世紀初頭、フランスによって
カリブ海の島々にコーヒーノキが伝えられ、
南米の広域でコーヒーノキの大農園が
イギリス、フランス、ポルトガル各国の主導で経営されます。
こうしてコーヒーと言えば南米を思い浮かべるようになったのです。
特にフランス人は大のコーヒー好き。
カフェ文化を深め、ネル(布袋)にコーヒー豆を入れて
お湯を少しずつ注ぐネルドリップ式飲法を生み出したのもフランス人でした。

現在はアラビカ種だけではなく
環境の変化に順応しやすく丈夫なロブスタ種も活躍し、
我々に日々の憩いの場を提供してくれているコーヒーノキ。
豊かな自然からの恩恵と様々な民族の試行錯誤に
感謝しながらゆっくりと楽しみたいものです。
text 月刊フローリスト イラストレーション/高橋ユミ
語る人 植物生活プロ
名前:川崎景介 Keisuke Kawasaki
プロフィール:花文化研究者。マミフラワーデザインスクール校長。米国アイオワ州グレイスランド大学にて史学を専攻し卒業。フラワーデザイナーの養成機関等で教鞭をとり、スクールでは考花学のクラスを持つ。執筆活動や全国での講演活動に従事するかたわら、日本のみならず世界各国の花文化を独自の視点で研究し、フローラルアートの啓蒙に努めている。日本民族藝術学会員。
スクール:マミフラワーデザインスクール
http://www.mamifds.co.jp

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2017 kaika. All Rights Reserved