
ネギ類をおいしく育てるための、タネのまき方をご紹介!今回は、長ネギ・葉ネギ・ニラ・タマネギについて、栽培カレンダーやタネまきのポイント、発芽後のポイントなどを分かりやすく解説しています。ぜひネギ類を育てる際の参考してください!
ネギ
発芽温度:8~23度
土壌環境:握ると団子になるほどよく湿った土を好む。

・長ネギ

・葉ネギ
ニラ
発芽温度:8~23度
土壌環境:握ると団子になるほどよく湿った土を好む。
タマネギ
発芽温度:8~23度
土壌環境:握ると団子になるほどよく湿った土を好む。
鎮圧すると発芽しにくくなる
ネギ類はトウ立ちを避けるため、春と秋の限られた期間にタネをまきます。
ネギ類は茎の太さ6mm以上の大苗で、5~10度の低温に1か月以上遭遇すると、花芽分化が起こります。そのあと、気温が上がり、長日下に置かれることでトウ立ちします。これを「グリーンバーナリゼーション」といいます。
発芽適温は12~23度で、春も秋も彼岸を過ぎてからまくと発芽しやすくなります。春まきも秋まきも適期よりも前にまくと、グリーンバーナリゼーションが起きやすくなります。
*ポイント①
ネギ類のタネは2mm前後の大きさでとても小さく、発芽力が弱めです。そのため、ネギ類は覆土後の鎮圧をしない方が、発芽ぞろいがよくなります。
タネまき後に水をまくと土が締まって余計に出にくくなります。発芽後に子葉が地上に出られなければ、土の中で腐ってしまいます。まき方は1cm間隔のスジまきにします。密にまくことでタネ同士が協力して土を持ち上げます。
*ポイント②
タネの寿命は1~2年ですので、古ダネは避けましょう。短命ですが、冷蔵保存なら5年くらい長持ちします。
ネギ類は子葉が折れ曲がった状態で生えてきます。覆土は薄くし、鎮圧はしません。ネギ類は子葉に種皮がついたままでも問題ありません。

発芽をよくするため、苗床には元肥は不要です。苗が育ってきたら、中耕をして追肥をします。そのため、条間は15~20cm空けます。
【発芽後のポイント】発芽したあとはポットの下にもみ殻を敷く
ポットの底穴からあえて根を張らせる
ネギ類は栽培期間が長く、タネまきから定植までに2か月以上かかります。
畑に苗床をつくって育てる分には問題ありませんが、ポットで育苗すると根圏が制限されます。ネギの根は酸素をたくさん求めるので、ポットのままだと次第に生育が悪くなります。
ポット育苗の際も根張りをよくするため、発芽したら衣装ケースの底にもみ殻を敷いておきます。ポットの底穴から伸びた根がもみ殻の中に伸びていき、育苗中の酸素不足を防ぐことができます。しかも、もみ殻には繊維や細胞膜をつくる要素のケイ酸が含まれます。
もみ殻のおかげで、根の生育を阻害せず、酸素と栄養分を供給することができるため、立派な苗に育ってくれます。
もみ殻で根張りがよくなる
発芽したら衣装ケースの底にもみ殻を5~7cmぐらい敷きます。底穴から伸びる根を育てます。
タマネギの春まき
タネ球を育てる
タマネギの春まきは直径3cmほどに小タマネギ(タネ球)の状態まで苗を育てます。鎮圧せずに3~5cm間隔でスジまきします。6月頃に葉が枯れてきたら、抜き取って乾かして保管し、秋口に植えつけます。
移植なし!タマネギのまきっぱなし栽培
苗床やプランターで苗づくりをして、畝に定植するのが一般的ですが、移植せずに育てることができます。まきっぱなし栽培は、移植栽培よりも深くまで根が張ります。肥料分が少ない土壌でもよく育ち、病虫害にも強くなります。
9月にまくと育ちすぎて、春にトウ立ちしてしまいます。タネまきは10月中下旬に行います。追肥は発芽後と、12月と2月に1回ずつ条間に施します。
タネは5~6cm間隔で1粒ずつまき、間引かずに育てます。密植気味に育つと保存性がよくなります。しっかり根付いて、霜柱にも強くなります。
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