
春に芽生えたら掘り上げてポット育苗!今すぐ試したくなる家庭菜園のアイデアをご紹介します!ここでは完熟トマトを使ったアイデアをピックアップ。イタリアントマトはうまみがギュッと詰まってしっかりした皮が特徴的。ぜひチャレンジしてみてください!

かんちゃんさん/岩手県/菜園歴9年、ほか
寒くなってから完熟果を畑やプランターに埋める
「完熟したイタリアントマトの実を1~2個畑に埋めています。翌年自然に芽が出るので、育苗ポットに移し、大きくなったら畑へ移植。これを毎年繰り返しています」というのは、岩手県のかんちゃんさん。
秋に採った完熟トマトを、霜が降りる時期以降に埋めるのがうまいやり方。温かい時期に埋めると年内に芽が出てしまい、霜に当たると枯れてしまいます。寒くなってから埋めれば、芽が出るのは翌年の春。育苗が可能です。
トマトのまるごと植えのほか、落下した実から翌年自然生えした芽を利用して苗をつくることもできます。
プランターに埋めたトマトが発芽
こちらは編集部の屋上菜園での実践例。タマネギのプランターに、冬のうちにミニトマトの実を埋めておいたところ、5月中旬に発芽。本葉が1枚見える頃に掘り上げ、1本ずつばらして育苗ポットに植え替えて育苗を続けた。
トマトの実をまるごと埋める
晩秋に収穫して保存しておいたミニトマトを、2月末にプランターに埋めた。土に押し込んで軽く土をかけておく。押し込んだ際に実がつぶれたもののほうが早く発芽した。編集部の屋上菜園で。
育苗ポットに埋めたトウガラシも発芽
育苗ポットにまるごと埋めておいた紫トウガラシからも芽がたくさん出た。トマトもトウガラシも、タネを採り出して乾燥・保管する手間がなくてラク。
やり方
01 完熟トマトを埋める
赤く熟したトマトを浅めに埋める。固定種のトマトなら、翌年も同じ形質のトマトが採れる。F1種の場合は同じ形質のトマトは採れないが、育ててみて気に入った実が採れたら、翌年また同様に育ててつなぐといい。
02 発芽後に掘り上げる
発芽して本葉が出始めたら移植ゴテで掘り上げる。なお、畑の場合は掘り上げずにそのまま育てることも可能。強い苗が自然に数本残って育ち、ブッシュのような姿になり、たくさんの実を収穫できる。ただ、プランターの場合は土の量が限られているので無理。
03 ポットに植え替えて育苗
掘り上げた苗の塊を1本ずつていねいにばらし、育苗ポットに移植する。移植後しばらくは木漏れ日程度の場所で養生する。本葉が大きくなり始めたら活着した証拠。日当たりのいい場所で育苗を続ける。
【+α】室内越冬トマトからのわき芽挿し育苗
自然生えトマトを居間で育てわき芽を利用して20鉢を育苗
畑に落ちたトマトが秋のうちに自然生えすることがあります。こうした苗は冬に霜に当たると枯れてしまいますが、ポットに移して温かい場所に置けば育てることが可能です。菜園歴50年のベテラン菜園家、千葉県の小木曽弘明さんからのレポートです。
「畑に落ちたトマトから10月に芽が出ていました。これをポットに移し、自宅の居間の日当たりのいい場所に置いて12段まで育てました」と、小木曽さん。さらに小木曽さんは、そのトマトから出るわき芽を摘んでポットに挿して養生し、計20本の苗を仕上げて畑に定植したとのこと。
「わき芽挿し育苗をした20本のトマトは、畑で元気に育っています」と小木曽さん。挿し芽を採るため、冬から春にかけてトマトを育てた小木曽さんの実践はとてもユニーク。サツマイモの苗採りをする感覚です。
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