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植物の魅力を引き出す「石」を使いこなす!(ガーデン作り)

  • 2024年12月9日
  • NUKUMORE

植物を植えただけではお庭や外構は完成しません。植物のある景観を作ることこそが、ガーデン設計の肝。そんな景観づくりに欠かせない「石」の使い方を一部のぞいてみましょう。石を使いこなせば、植物の魅力をもっともっと引き出せるはず!

EX80_p20_main_1_1733138591 オブジェ的な大きなゴロタ石。スコットランド産の「ケルティックボルダー」。 EX80_p20_map_1_1733138616

石を敷く

古くから、庭によく使われてきた石材。庭石の使い方は、「敷く」「積む」が基本で、素材は自然石が原則です。

自然石では、古くから日本庭園で庭石として使われている、安山岩・花崗岩・粘板岩といった国産のほかに、最近では、白やベージュなど淡い色合いの石英岩や石灰岩の輸入石も増えてきました。高級感が感じられる素材で、石英岩では「クォーツサイト」、石灰岩では「クラウディー・ペイビング」などが有名です。

乱形の石は、乱貼りなどのデザインにも適しています。また、角のとれたゴロタ石や、ピンコロとよばれる小さな立方体の石も、床面や縁どりの素材として重宝です。

一方、人工の石では、コンクリートを再利用した擬石もあります。平板のものは、アプローチ床面、飛石などによく利用されます。

ゴロタ石を敷き、立水栓の足元は白玉石をあしらって。

設計施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p20_map_2_1733138683

最近よく見られるサークルストーンの模様。

中心部は「クォーツサイト」の乱貼り。縁はインド砂岩サークル。 EX80_p20_map_3_1733138709

アイアンウッドの乱立ての足元に、黒い玉石、砂利敷きを組み合わせて。

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木材を思わせるインド産粘板岩と厚小端寸法のインド砂岩。

玉石とコケのバランスが絶妙。
設計・施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p20_map_5_1733138752

方形のインド砂岩を園路に敷き(写真左側)、手前はゴロタ石を敷き詰めて。

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アプローチ階段にフォレストペイビングを整然と敷いた例。

排水マスをもデザインの中に取り込んでいます。
設計・施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p20_map_7_1733138801

大谷石のアプローチ。

すき間は英虞湾石を敷いています。 EX80_p20_map_8_1733138825

山吹色の和美石(わびいし)を、土留めを兼ねてロックガーデン風に積んだ例。

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豪快な鳥海石の土留め。

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甲州鞍馬石の縁石。

スギコケが生えて、趣のある景色に。白い砂は白州砂利。 EX80_p22_map_3_1733139083

英虞湾石のアプローチ階段。

石のすき間にセダムが生えているのがかわいい。
設計・施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p22_map_4_1733139107

甲州鞍馬石の石垣。

鉄サビ色は緑にもよく似合います。 EX80_p22_map_5_1733139130

石材用語

・英虞湾石(あごわんせき)
真珠の産地で知られる三重県英虞湾周辺で産出される砂岩。

・安山岩(あんざんがん)
火山岩の一種で、溶岩が固まって変質したもの。

・大谷石(おおやいし)
栃木県宇都宮市大谷から産出される石。軟質なため、加工が容易。門柱・石積みなどによく使用される。

・花崗岩(かこうがん)
石英・長石・雲母などを主成分とする火成岩。一般的には御影石の名称で知られている。

・擬石(ぎせき)
自然の岩石に似せてつくったコンクリート製の石。自然石の細粒を混ぜることもある。

・クォーツサイト
ブラジル産の石英岩。明るい色調をもつ自然石で、色はローズ、ホワイト、イエローなど。

・化粧砂利(けしょうじゃり)
自然石を原料とする砂利。豊富な素材とカラーバリエーションで、庭・アプローチ・玄関まわりなどさまざまなシーンを彩る。

・甲州鞍馬石(こうしゅうくらまいし)
山梨県から産出される鉄サビ色の石。鞍馬石に似ているため、新鞍馬とも呼ばれる。

・小端積み(こばづみ)
レンガ積みや石積みの方法で、小端(側面)を立てるようにして積むこと。花壇やポーチの縁どりなどに使われる。

・ゴロタ石
径10~15cm程度の角のとれた石。山石や偏平な川石・海石なども、現在ではゴロタとよぶ。

・サークルストーン
石を円形状に敷いたもの。

・玉石(たまいし)
川の下流や海で、水や波に洗われて、球形に近くなった石。

・鳥海石(ちょうかいせき)
山形県・秋田県にまたがる鳥海山から採石される安山岩。庭石としてはもちろん、コケが生えやすいため、最近では自然生態保護(ビオトープ)の護岸工事や池などに使用される。

・ピンコロ石
小舗石ともいう。自然石を約9cmの立方体に手割りしたもの。

・御影石(みかげいし)
花崗岩の別称。本当の御影石は、神戸市東灘区の御影町から産出する良質の花崗岩の名称。
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「小端積み」の積み方

石を積む場所の下の部分を整えます。土を固くし、砕石をまくか、5~10cmの厚みにコンクリートを打ちます。 EX80_p22_map_6_1733139163
コーナー部分は、少し大きめの石を選んで、しっかり固定します。 EX80_p22_map_7_1733139175
石同士のくっつき部分が、上下の石でそろわないように、互いちがいになるように積みます。 EX80_p22_map_8_1733139192
天板の部分に石を立てて並べれば、イギリスのコッツウォールズ地方で見られる石積み風に。 EX80_p22_map_9_1733139206
天板を平らにする場合は、水平に合わせて仕上げます。 EX80_p22_map_10_1733139220

石で景色をつくる

石は、組み合わせることにより、心地良い景色をつくってくれます。和風庭園につきものの蹲踞(つくばい)。中心になるものを手水鉢(ちょうずばち)といい、まわりの石を役石(やくせき)とよび、湯桶石(ゆおけせき)・手燭石(てしょくせき)・前石(ぜんせき)・飛石と、それぞれ役割があります。

また、京都のお寺でよく見られる枯山水は、日本人なら誰でも、心癒される景色です。 EX80_p23_map_5_1733139463

和風庭園の典型的な蹲踞。

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このように、石をランダムに立てることを「乱立て」ともいいます。

石はインド砂岩石「ソリッド」。
設計・施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p23_map_2_1733139341

水の流れる石臼を中心に石組み。

敷石や枕木を使って和洋折衷の庭に。
設計・施工=ガーデン工房ふりーふ EX80_p23_map_3_1733139361

京都のお寺でよく見かける枯山水。

縁どりは甲州鞍馬石。 EX80_p23_map_4_1733139383

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