なぜ手入れが必要なのか
庭木の手入れとして欠かせないのが、枝を切り、樹形を整える剪定です。枝を切ることで樹木の生育を助け、美観を高めます。
ただし、剪定には樹種によりふさわしい時期と方法があり、それをまちがえると花が咲かないこともあります。
その樹木の性質に合わせた剪定方法を心がけるようにしてください。 一方で見つけしだい、いつ切ってもよい枝もあります。こうした技のことを不要枝と呼びます。
やり方
① ひこばえ
根元や地中から生える勢いのある技です。養分や水を取られて、主幹 の勢いが弱くなります。
② 同吹き枝
幹の途中から出る技。幹吹き枝とも呼ばれます。樹勢を弱らせますが、 枝が欲しい場所に出た場合は残してかまいません。
③ 腹切り枝
枝が湾曲して主幹と交差し、主幹を切る刃のように見える技。
④ 下がり枝
下向きに伸びる枝。
⑤ 立ち枝
まっすぐ上に向かって伸びる枝。樹形を乱すうえ、あまり花もつきません。
⑥ ふところ枝
樹冠内側に出てくる勢いの弱い枝。枝が込みすぎる原因となります。
⑦ 徒長枝
ほかの枝より勢い良く長く伸びる技。樹形を乱すうえ、花もあまりつけません。飛び技とも呼ばれます。
⑧ 頂上枝
幹の上部で幹からそれて上に向かって伸びる技。そのままにしておくと幹が2本あるように見え、樹形を乱します。
⑨ かんぬき枝
主幹の同じ高さの場所から逆方向にそれぞれ伸びた枝。バランスを考え、どちらか1本を切ります。
⑩ 車枝
1カ所からたくさんまとまって出る技。枝ぶりのよいものを数本残します。
⑪ 逆さ枝
逆方向の内側の幹に向かって伸びる技。
⑫ 交差枝
ほかの枝と重なり合う技。込みいって見えるほか、重なっている部分が こすれてみます。
⑬ 平行枝
重なり枝とも呼ばれ、長さ太さなどが同じ2本以上の技が、同じ方向に 同じように伸びます。1本を残して後は切ります。
⑭ その他の枝
病害虫の被害や枯れた枝、折れた枝は切り取ります。
剪定の時期
剪定には3つの適した時期があります。3月下旬から4月上旬にか けては、まだ新芽の出る前で寒さも一段落しており、切っても傷みま せん。生け垣の刈り込みなどに最も良い時期です。
5月中旬から6月下旬にかけては、すでに新芽が出そろい固まった 時期で、やはり切ってもみません。また、切った後に次の芽が多数 揃って出てきます。花木の場合、花が終わった直後に剪定をすること で、次の花芽をつくることになります。
9月中旬から10月上旬にかけては、まだ寒くなる前で切っても傷みません。最後の仕上げとして徒長枝などを切るとよいでしょう。
なお、4月中旬から5月上旬にかけては、多くの樹木にとって新芽 が出て展開し固まる時期です。このときに身定をすると大きなダメージとなるので、剪定を避けましょう。
また、落葉広葉樹、常緑広葉樹、常緑針葉樹と、種類によっても 剪定時期は異なります。まず落葉広葉樹ですが、葉を落とした11月か ら3月にかけての休眠期に剪定します。
ただし、樹種により休眠期は それぞれ違います。例えばサクラやカエデは必ず年内に剪定を終わら せるなど、それぞれの樹木の性質をふまえて剪定します。
常緑広葉樹は冬に切ると寒さによって傷みます。5月中旬から6月 下旬にかけての時期に行うとよいでしょう。
常緑針葉樹は冬に切るとよいものと、常緑広葉樹と同じ時期に切る のがないものがあります。それぞれの樹木の性質をふまえて剪定します。
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