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ネオワイズ彗星が接近中、いつ、どの方角に見える?

  • 2020年7月13日
  • ナショナル ジオグラフィック日本版

 ネオワイズ彗星が地球に接近中だ。天文学者は、ここ10年あまりで最も明るい彗星になるかもしれないと期待している。

 この彗星は現在、見るべき場所さえわかっていれば肉眼で十分見える明るさになっていて、その姿を眺めようと夜明け前の早起きを始めた北半球の天文ファンを喜ばせている。

 米アリゾナ州ペイソンの天体写真家クリス・シューア氏は、ネオワイズ彗星を「ゴージャス」だと表現する。7月7日の早朝に双眼鏡で彗星を観察した氏は、その尾の長さを約5度と見積もった。満月の見かけの大きさの約10倍だ。天文学者も可能性を指摘する通り、この調子で尾が伸びていけば「とてもドラマチックなことになるでしょう」とシューア氏は言う。

見える時間帯と方角は?

 ネオワイズ彗星は、7月の中頃までは夜明け前にしか見ることができない。遅くとも日の出時刻の45分前には外に出て、北東の地平線のすぐ上を見てみよう。ぎょしゃ座のカペラという明るい星が目印だ。彗星はカペラのすぐ下にあり、東には金星(明けの明星)が見える。

 7月15日頃からは夕方の空で見えるようになり、さらに見つけやすくなる。日没後の北西の空、おおぐま座(北斗七星)の下に見えるはずだ。日を追うごとに地平線からの高度が高くなる。

 貴重な天文現象を見る絶好の機会だが、観察するには少しだけ準備が必要だ。「空を見上げればすぐわかるというものではありません」と、米アリゾナ州にあるローウェル天文台の上級天文学者デイブ・シュライヒャー氏は言う。「見るべき場所がよくわかっている必要があります。それに、双眼鏡が役に立つでしょう」

 それでも、過去数日間にソーシャルメディアに投稿された写真を見ると、この彗星はかなり見応えがありそうだ。1997年の夜空に輝いたヘールボップ彗星以来の明るさになるかもしれない。2007年に地球の横を通り過ぎていったマックノート彗星は、今のネオワイズ彗星よりも明るかったが、見えたのは主に南半球だった。

「この彗星が大きな話題になるのは当然です」と、写真家のマルコム・パーク氏は話す。氏は7月5日の朝にカナダのオンタリオ州東部の自宅から、長く尾をひくネオワイズ彗星を撮影した。

次ページ:7月23日に地球に最接近

太陽をかすめて地球に接近中

 ネオワイズ彗星は、3月下旬にNASAの宇宙望遠鏡「NEOWISE」が発見したことにちなんで命名され、正式名称は「C/2020 F3 (NEOWISE)」という。彗星は日本時間の7月4日に近日点(太陽に最も接近した点)を通過した。

 今もなお彗星の姿が見えていることに、天文ファンは安堵のため息をついている。彗星の多くは、太陽に接近したときの高温に耐えられないからだ。彗星の核は、しばしば「汚れた雪玉」と表現されるように、岩石、塵、ガス、氷からできていて、極度の高温になると崩壊しやすい。

「彗星は太陽に近づくにつれ高温になり、さまざまな物質を放出しはじめます。これが美しい尾の正体です」と、米ロサンゼルスにあるグリフィス天文台のキュレーター、ローラ・ダンリー氏は説明する。「しかし、核が完全に崩壊して消えてしまうこともあります」

 ネオワイズ彗星は、この試練を生き延びたようだ。太陽への最接近を果たした今も、ガスと塵でできた長い尾をたなびかせている。ダンリー氏は、「あと1カ月程度はよく見えるでしょう」と期待する。

 彗星の明るさは、いくつかの要素によって決まる。近日点を通過した今は、太陽光の反射が少なくなっていくが、彗星自体は地球に近づいてきている。地球に最接近するのは7月23日で、地球から1億300万kmのところを通過する。その後は地球からも離れて徐々に見えなくなり、太陽系外縁部へ帰っていく。

 最高の条件で彗星を見るには、早起きして明け方の空の低いところにある彗星を見るべきだろうか? それとも7月中旬以降、夕方の空の見やすい位置に来てから観察するべきだろうか?

 天文ファンの多くは、のんびり構えている間に彗星が見えなくなってしまうことを恐れて、早起きしてでもなるべく今のうちに見ておくよう勧めている。ダンリー氏は、多くの人がコロナ禍の自粛生活にうんざりしている今、彗星の観察は、外に出て自然に触れるための格好の口実になるだろうと話す。

「お子さんがいる方は一緒に早起きして、この美しい光景を見に行ってください。ついでに日の出も見るといいですよ」

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