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スペースX宇宙船がISSにドッキングした瞬間

  • 2020年6月2日
  • ナショナル ジオグラフィック日本版

 先端のノーズコーンを開いた米スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」は、軌道を周回している国際宇宙ステーション(ISS)に近づくと、米東部時間5月31日午前10時16分(日本時間同日午後11時16分)、ついにドッキングに成功した。

 米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられてからおよそ19時間、ISSが中国とモンゴルの国境のはるか上空を通過するタイミングだった。

 米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士、ロバート・ベンケン氏とダグラス・ハーリー氏が操縦するクルードラゴンは、2011年以来、初めて米国内から打ち上げられた有人宇宙船だ。両氏は軌道に到達後、2人が初めて搭乗したスペースシャトルにちなみ、宇宙船を「エンデバー号」と名付けた。

 2人の宇宙飛行士は、クルードラゴンとISSの間で気圧と温度を合わせる作業を行い、ISSに乗り込んだ。1〜4カ月ほど滞在する予定だ。「米国の宇宙船が最後にISSとドッキングして以来、9年におよぶ努力の一端を担えるのは大変光栄です」と、ドッキングを終えたハーリー氏は語った。

 ベンケン氏とハーリー氏は、いずれもベテランの宇宙飛行士であり、米軍のテストパイロット出身だ。今回の飛行では最終段階で、クルードラゴンの性能試験を行った。手動操縦のテストだ。

 ISSまであと200メートルの距離で手動操縦に切り替え、ドッキングの自動モードが機能しない場合に手動で宇宙船を制御できることを確認した。そうして20メートルまで近づけてから、自動でドッキングさせた。接合中のクルードラゴンは、搭載されたバッテリーや太陽電池パネルは使用せずに、ISSから電力の供給を受ける。

次ページ:最初のミッションは8月末予定

「ISSへようこそ。お2人が乗組員に加わってくれてうれしいです」と、現在ISSに滞在中のNASAの宇宙飛行士クリス・キャシディ氏が2人を迎えた。

 今回の飛行は、この新型有人宇宙船の最終試験にあたる。ミッションが最後まで成功すれば今後の飛行が認められ、NASAは、クルードラゴンでISSに宇宙飛行士を送る運用段階のミッションを開始できることになる。最初のミッション「クルー1」は8月末の実施を目指している。

 クルードラゴンの打ち上げは、当初5月27日に予定されていたが、雲と雷に阻まれ、延期を余儀なくされた。予備日に設定された30日が近づいても天気予報は芳しくなかったが、当日になってカウントダウンが進むと、雲が切れ、打ち上げにゴーサインが出される状況が整った。

 発射場のあるフロリダ州ケープカナベラルでは、人々が道路沿いやビーチ、あるいは屋根の上から打ち上げを見守った。クルードラゴンを載せたロケットは、目のくらむような閃光を発して飛び立ち、低く垂れた雲を突き抜け、思いがけずのぞいた青空にロケット雲を残して消えていった。ベンケン氏とハーリー氏が勢いよくISSに向かう間、地上に集まった人々は、米国発の有人宇宙飛行の再開と、民間企業が有人宇宙船の製造と運用管理を担う新たな時代の幕開けを祝った。

 打ち上げ準備からドッキングまでを写真で振り返ろう。

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:米スペースX社の有人宇宙船、打ち上げとISSへのドッキング成功 写真あと16点

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