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プエルトリコで相次ぐ地震、知事が非常事態を宣言

  • 2020年1月9日
  • ナショナル ジオグラフィック日本版

 1月7日未明、カリブ海に浮かぶ米自治領プエルトリコで、マグニチュード(M)6.4の地震が発生した。プエルトリコでは1週間以上前から地震が頻発していたが、今回の地震はそのなかで最も規模が大きく、今後も余震が続くと予想される。

 プエルトリコの南西沖では、6日にもM5.8の地震が発生したばかりだ。2019年12月28日以降、一帯ではM2以上の地震が400回以上も起きている。米地質調査所(USGS)によれば、多くの地震は比較的震源が浅く、住民たちはおそらく数十回の地震を感知しているという。

 2017年にハリケーン「イルマ」と「マリア」の直撃を受けたプエルトリコは復興の途上にあるが、6日と7日の大地震は地域社会に壊滅的な被害をもたらし、多くの住宅が損壊したほか、一部地域が停電し、数カ所で地滑りが起きた。観光名所だった岩のアーチ「プンタ・ベンターナ」も崩壊した。少なくとも1人の死亡が確認され、知事が非常事態を宣言した。

 米国大学間地震学研究連合(IRIS)の地震地質学者ウェンディー・ボーハン氏は「プエルトリコの人々は多くの困難に直面しています」と語る。「建物は壊れ、当然ながら、人々は恐れています。今も地震が続いているためです。彼らは来る日も来る日も地震を感じています」

 しかも、余震が続く可能性は高く、研究者たちは今後の予想を立てるため、最近起きた地震の調査を進めている。

「ごく狭い範囲で、複雑な地殻の活動がいくつも起きています」とボーハン氏は話す。

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板挟みのプエルトリコ

 プエルトリコは古くから地震に見舞われてきた。プエルトリコは北米プレートと接するカリブプレートの端に位置する。世界の地震の大部分はこうしたプレートの境界で起きている。

「プエルトリコの島全体が活発なプレート境界にあたります。米カリフォルニア州と同様、どこで地震が起きてもおかしくない場所です」と、USGSのスーザン・ハフ氏はメール取材でコメントしている。ただし、プエルトリコの地質構造はもっと複雑だ。

 プエルトリコの北岸沖にはプエルトリコ海溝が東西に走り、北米プレートがカリブプレートの下に北側から沈み込む「沈み込み帯」となっている。また、プエルトリコ南岸沖にはムエルトストラフがあって、USGSによれば、カリブプレートの一部が南側から沈み込んでいるように見える箇所がある。つまり、プエルトリコは南北から押しつぶされているような状態だという。その結果、地震が多発するのだ。

 プエルトリコ大学マヤグエス校プエルトリコ地震ネットワーク(PRSN)のエリザベス・バナコア氏は、プエルトリコでは特に群発地震が多いと説明する。群発地震とは、ほぼ同じ規模の地震が断続的に発生する地震活動だ。ただし、理由は解明されていないと、バナコア氏は言い添えている。

 一部の群発地震は、揺れの方向と地層に加わる力については、特定の法則に従っているように見える。2013年のある研究では、プエルトリコ北で起きた複数の群発地震が、カリブプレートに沈み込む北米プレートが裂けた結果だと示唆している。しかし、原因はおそらく1つではない。

今後も地震は起きる

 バナコア氏は今回の地震について、群発地震ではなく従来型の地震だと考えている。前震、本震、余震と続いているように見えるためだ。研究者による調査は終わっていないが、1つだけ確かなことがあると、バナコア氏は語る。「今後も地震が起きるということです」

 USGSの予測では、M6.4の地震発生の1週間以内にM5以上の地震が起きる確率は90%。M6以上の地震が起きる確率は22%だ。これはあくまで現時点の予測であり、調査結果と今後の情報次第で変わる可能性もある。

 まだ裏付けは取れていないものの、今回の地震の多くはプエルトリコ南西のプンタ・モンタルバ断層で起きているようだと、バナコア氏は述べている。プエルトリコ南西の断層は活発なことで知られる。計器による記録が始まってからの数十年間、プンタ・モンタルバ断層では目立った活動は見られなかったが、地質年代の観点からすれば、数十年など一瞬にすぎないと、バナコア氏は語る。

「地質年代について語るときの単位は数百万年〜数十億年です」。バナコア氏は次の目標として、プンタ・モンタルバ断層で同レベルの活動が起きる頻度を解明したいと話している。

 バナコア氏はプエルトリコの人々に、USGSやPRSNのような信頼できる筋から最新情報を入手するよう呼び掛けている。そうすれば、いつでも避難できるよう準備を整えられる。

 IRISのボーハン氏は「送電線や樹木、斜面から離れ、安全な場所で過ごしてください。何かが落ちてくる場所、危険なものがある場所に近づいてはいけません」と助言している。「地震は今後も起きるという認識を持ってください」

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