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うっとりする絶景、一度は訪れたいバンフ国立公園

  • 2019年10月22日
  • ナショナル ジオグラフィック日本版

訪れたい理由、知っておきたいこと

 カナダで初の国立公園にバンフが指定されたのは、実に単純な成り行きからだった。1883年、カナディアン・ロッキー山脈の斜面で、3人の鉄道職員が温泉を発見し、その場所がそのまま国立公園になったのだ。他に類を見ない壮大な山々の眺めを誇るバンフは近年、世界でも有数の人気スポットとなっている。毎年、何百万人もの人々が、すばらしい眺めとさまざまなレジャーを目当てに、はるばるこの土地までやってくる。

 バンフで最初に見つかった温泉は「ケーブ・アンド・ベイスン」と呼ばれ、カナダの国定史跡になっている。もう浸かることはできないが、博物館では高解像度の映像作品や歴史を体感できるイベント、周囲の湿地帯ではレンジャーが案内する生物多様性体験、夜のランタンツアーなどが楽しめる。車で10分のところには現代的なスパ施設「バンフ・アッパー・ホット・スプリングス」があり、屋外プール、更衣室、カフェが揃っている。

 かつては各駅停車しか止まらない静かな村だったバンフは、いまではホテル、レストラン、ギャラリー、アウトドアショップが立ち並び、年間を通して賑わうリゾートタウンへと変貌を遂げた。チューダー建築を模した建物内にある「バンフ国立公園ビジターセンター」では、見どころ、アクティビティ、道路状況、園内の天気など、必要な情報がすべて揃う。

 メインストリートを2ブロック下ったところにある「バンフ公園博物館国定史跡」は、素朴な魅力を放つ建造物であると同時に、ビクトリア朝時代の動物学、植物学、地質学の標本の宝庫でもある。近隣の「カナディアン・ロッキー・ホワイト博物館」は、地域の芸術と建築に特化した施設で、絵画、彫刻、写真のほか、庭園には伝統的な家屋も展示されている。

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周辺の見どころと多彩なアクティビティ

 バンフでは、さまざまなアウトドアレジャーも楽しめる。1911年に造成された9ホールのパブリックゴルフコース「バンフ・スプリングス・ゴルフ・クラブ」は、カナディアン・ロッキーという立地を存分に生かした雄大な山々の景色と、ボウ川沿いのフェアウェイが自慢。ボウ川の北岸沿いには、キャンモアの街からバンフまで延びる「バンフ・レガシー・トレイル」(全長約25キロ)が走っているが、公園内にはこの他にも絶景のサイクリングやマウンテンバイク用のルートがいくつもある。ルイーズ湖とキャンモアの間のボウ川では、フライフィッシング、ガイドなしのカヤッキング、ツアー会社「ロッキー・マウンテン・ラフト・ツアーズ」が提供するガイド付きラフティングなどのレジャーが豊富。

 バンフの北に高くそびえるノーケイ山では、冬にはスキー、スノーボード、スノーチュービングを、夏にはハイキングやサイクリングのトレイル、ヴィア・フェラータ(登攀のための設備が整備されているロッククライミングルート)、リフトを使った空からの観光を満喫できる。街から車で20分も走れば、ミネワンカ湖に到着する。フィヨルドのように細長いこの湖では、スイミング、カヤッキング、釣り、モーターボート、さらには湖底に沈んだ村へのダイビングまで、さまざまなウォーターレジャーに出会える。デビルズ・ギャップと呼ばれる峡谷を目指す1時間の遊覧船クルーズもある。

 ボウ川沿いのトランス・カナダ・ハイウェイを上流に向かって1時間ほどドライブすると、圧倒されるほど美しいルイーズ湖に到達する。ビクトリア女王の4番目の娘にちなんで名付けられたこの絶景の湖は、泳ぐにはやや冷たすぎるが、夏のパドルスポーツには最適で、湖面が凍り付く冬には、氷上釣りやアイススケートが楽しめる。

 湖の東岸で威容を誇るのが「シャトー・レイク・ルイーズ」だ。1911年に開業したこの歴史あるホテルは、カナダの国立公園内の宿としては今も理想的な一軒だ。大きな窓から湖を見下ろすラウンジで供されるアフタヌーンティーが、昔ながらの伝統。一帯に数あるハイキングトレイルの中でも特に人気が高い「プレーン・オブ・ザ・シックス・グレイシャーズ・トレイル」は、湖畔に沿って進み、氷河に削られた渓谷を登る、全長約15キロの往復ルート。途中、山腹に立つ丸太づくりの「レイク・アグネス・ティー・ハウス」で一服するのもいい。

 乗馬ツアーの企画会社「ブリュースター・ステーブルズ」は、夏にはティーハウスまでのトレイル乗馬や、一日かけてパラダイスバレーまで行く長距離乗馬ツアーを、冬には湖畔での馬ぞり体験を提供している。この他、ツアー会社「グレート・ディバイド・ネイチャー・インタープリテーション」が提供するプライベートガイド付きのハイキングもおすすめ。氷河、グリズリー、バードウォッチング、紅葉など、数十種類ものテーマに沿ったさまざまなトレッキングが用意されている。

「ルイーズ湖ビジターセンター」でも、公園についての情報、パンフレット、地図、本が手に入る。峡谷の東側に位置する「レイク・ルイーズ・スキーリゾート」は、トーチライト・ディナー&スキー、春の音楽フェスティバル、ガイド付きのスノーシュー体験ツアー、バックカントリースキーツアーなどのアクティビティで、一帯にあるその他のスポーツリゾートとは一線を画している。

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 ルイーズ湖のすぐ北で、トランス・カナダ・ハイウェイは西へ向きを変えてブリティッシュ・コロンビア州に入る。しかし、もう一本の有名な道路は、ボウ川に沿ってさらに北へ延びている。それが「アイスフィールド・パークウェイ(ハイウェイ93号線)」だ。この道路はおよそ250キロにわたってカナディアン・ロッキーの中央を貫き、ジャスパーの街まで続いている。川、滝、雪山、100カ所以上の氷河と出会えるこのルートでは、何度も道路脇に車を止めて、写真を撮ったり、散策したり、ただひたすら自然のキャンバスに描かれた絶景に見とれたりしたくなるだろう。

 途中のボウ湖はひと休みするのに最適だ。老舗宿の「ナムティヤー・ロッジ」に立ち寄るのもいいし、「ボウ・グレイシャー・フォールズ・トレイル」(往復約10キロ)を歩いて、ワプタ氷河の融解水が流れ込むボウ滝まで歩くのもいい。パークウェイの最高地点にあるペイト湖展望台では、峡谷を見下ろす驚きの絶景に出会える。ミスタヤ峡谷を流れ落ちる滝を通り過ぎたら、パークウェイはクロッシングという場所でサスカチュワン川を渡る。ここがバンフとジャスパーの中間地点だ。パークウェイをさらに50キロ北上すれば、コロンビア氷原が現れ、そこから先はジャスパー国立公園となる。

旅の計画:行き方

 バンフ国立公園はカルガリーから西へ130キロの地点に位置する。カルガリー国際空港には国内外の大手航空会社が就航しており、毎日多くの到着便がある。空港からはレンタカーを借りてトランス・カナダ・ハイウェイ1号線を西へ向かえば、そのまま公園に入ってバンフからルイーズ湖まで行ける。空港かカルガリーの市街地からはバンフ、ルイーズ湖までの直通バスの他、ツアー会社が提供するシャトルバスもある。

旅の計画:おすすめの時期

 公園は年中無休。バンフでは、野生生物の観察や観光が年間を通して楽しめるほか、ショッピング、食事などでも選択肢が豊富。夏に人気なのはハイキング、パドルスポーツ、マウンテンバイク、サイクリング、写真、登山など。季節に彩られた自然を満喫するなら、カラマツ(冬に落葉する唯一の針葉樹)が黄色に染まる秋がおすすめ。

 冬には、山はダウンヒルスキーやカントリースキーにおあつらえ向きの姿に変わる。園内には「レイク・ルイーズ・スキー・リゾート」、「サンシャイン・ビレッジ」、「マウント・ノーケイ」という3大スキーリゾートがあり、広大なスキー場が確保されている。もちろんバックカントリースキーも園内全域で楽しめる。スキーシーズンは11月から5月までと、北米でも最長の部類に入る。野生動物の観察ツアー、氷上ウォーク、スノーシューイング、犬ぞり、馬ぞり体験などもある。

旅の計画:移動

 バンフ国立公園には車かツアーバスで訪れるのが一般的。バンフ市街には、環境にやさしいハイブリッドの公共バス「ROAM」が走っている。車体にあしらわれた野生動物の絵が目印だ。バンフかルイーズ湖のビジターセンターで地図やバスの運行表を手に入れよう。GPSガイドもある。

旅の計画:宿泊

 絶景の地に佇む名物ホテル「シャトー・レイク・ルイーズ」には、レストラン、バー、スパ、子ども用キャンプ地が揃う。「ベーカー・クリーク・マウンテン・リゾート」では、ルイーズ湖の南のボウ川沿いにログキャビンが並んでおり、自転車、釣り竿の貸し出しもある。「バンフ・スプリングス・ホテル」は1888年に開業した老舗。

バンフ国立公園の基本情報

場所:カナダ、アルバータ州
設立:1885年
面積:6641平方キロメートル
年間来園者数:400万人
入園料:大人9ドル80セント、17歳以下無料

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