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川に巨大な氷の円盤が出現、どうやってできた?

  • 2019年1月22日
  • ナショナル ジオグラフィック日本版

 1月14日、米メイン州ウェストブルックの町を流れるプレサンプスコット川に、ゆっくりと回転する“氷の円盤”が出現した。「まるでミステリーサークルのようです」と、ある住民は地元紙ポートランド・プレス・ヘラルドの取材に答えている。

 この氷の円盤は、時刻と雲の量によって透明度は変わるものの、同じ場所にある。ヘラルド紙の推定では、今回の円盤は直径約90メートルと過去最大級だ。ただし、このような氷の円盤が出現したのは初めてではない。これまでにも世界各地で発見されてきた。円盤は自然現象によりできたもので、ほとんどの場合、完全な円形をしている。

 1997年に英国王立気象学会の学会誌「Royal Meteorological Society」で発表された論文では、川の流れが渦を作り、そこで氷が回転することで、境界部分が丸く削られるとされていた。

 しかし、2016年に学術誌「Physical Review E」に掲載された論文では、この説に修正が加えられた。このような円盤は、最初は川の流れによって形成される可能性が高いが、回転し続けるのは水の温度変化によるものだという。水は4℃で密度が最大となるので、円盤の下で解けたばかりの水は周囲の水より比重が大きく、下に沈む。この動きにより氷の下に渦が発生し、円盤が回転する。さらに、周囲の水温が高いほど、円盤の回転速度も速くなることがわかった。

 同論文でも実証されているが、この現象は台所の流しでも再現可能だ。円盤状の氷を温水に入れると、氷が解け始め、同様の渦の効果を確認できる。

 しかし、南メイン大学の物理学者ポール・ナクロシス氏は、メイン・パブリック・ラジオで、プレサンプスコット川の水温は氷の下に渦ができるほど高くはないと話し、今回の氷の円盤が水の温度変化によって回転しているという説に懐疑的な見方を示した。「回転の原因は、単に円盤のそばを流れる川の水である可能性が高く、おそらく、いったんある方向に回転を始めると、そのまま回転し続けるのでしょう」と同氏は話す。

 ウェストブルック市のフェイスブックの投稿によると、地元の科学者たちは、円盤が割れる前に調査したいと考えているそうだ。

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