サイト内
ウェブ
日本自然保護協会TOP

緑のgooは2007年より、利用していただいて発生した収益の一部を環境保護を目的とする団体へ寄付してまいりました。
2017年度は、日本自然保護協会へ寄付させていただきます。
日本自然保護協会(NACS-J)の活動や自然環境保護に関する情報をお届けします。

タヌキは増えてフクロウは減る!?
シカの増加で変わる森の生態系

  • 2017年9月8日
  • NACS-J

動物も含めた森林生態系の保全に向けて

 現在、シカによる森林の衰退は社会的にも大きな問題となっています。しかし大部分の地域では、動物への影響まで含めた生態系の変化については十分に把握されていないのが現状です。そして、対策も物理的に保全対象地を柵などで囲い込むといった対症療法が中心となっています。さらに、シカの対策が行われた場合でも、それはシカから植生を保護することに重点が置かれている場合が多く、動物の生息環境の保全といった観点は含まれていないことが多いのが現状としてあります。今後は、植物も動物も含めて森林生態系全体を保全するという視点が必要になってくると強く感じます。
 では、シカの影響により減る動植物も増える動植物もいる中で、森林生態系全体を保全するといった場合、管理目標はどこに定めるべきなのでしょうか。生物多様性の高い森林を目指すべきなのでしょうか、あるいはシカ増加以前の森林に近い状態に戻すべきなのでしょうか。これについては非常に難しい問題で、どの管理目標が正しいのかということは一概には言えません。関係する行政機関や専門家、地域のNPOや住民などで、十分に地域の自然環境の特性を踏まえた議論をした上で決定する必要があります。そのためにも、シカの増加により森の動植物たちがどのような反応を示すのか、その相互作用を明らかにすることは、今後各地で重点的に取り組むべき重要な課題です。

関さん
關 義和氏
東京農工大学大学院連合農学研究科
宇都宮大学農学部附属里山科学センター

奥田さん
奥田 圭氏
東京農工大学大学院連合農学研究科




※掲載しているデータは、会報『自然保護』掲載時(2012年)のものです。
 出典:日本自然保護協会会報『自然保護』No.526(2012年3・4月号)

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。