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和歌山で子どもの貧困と地域連携考えるシンポジウム 官民学が活動報告

  • 2019年2月12日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 「SDGs『貧困をなくそう』の視点から、子どもの貧困と地域連携を考えるシンポジウム」が2月9日、フリースペース「T-LABO(ティーラボ)」(和歌山市美園町5)で開催された。主催は「わかやまNPOセンター」。(和歌山経済新聞)

 SDGsの17の目標パネル

 「SDGs(エスディージーズ」)は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で2012年に国連サミットで採択した2016年から2030年までの環境と開発問題に関する国際目標。地球上の全ての人を対象に貧困や差別の解消、環境保全など17のゴールを目標に定めている。

 同シンポジウムはSDGsが定めた一つ目の目標「貧困をなくそう」を念頭に、子どもの貧困について基調講演とパネルディスカッションを行った。約40人の市民が参加した。

 第1部は、和歌山大学教育学部准教授・谷口知美さんが講演「子どもの貧困問題の動向・地域連携の必要性について」を行った。相対的貧困状態にある子どもたちの生活状況を可視化するために行われたアンケート調査で「病院にかかれない」「新しい服や靴が買えない」「誕生日会がない」など、子どもたちが剥奪されている経験や人とのつながりなどが明らかになったと報告した。

 谷口さんは「背景には教育への公的支出の少なさや社会保障、雇用をめぐる問題などがある。親バッシングでなく、社会全体で支えようと『子ども食堂』を契機に地域がつながり始めた。私が関わる子ども食堂では子どもたちが大学生に甘えたり、地域の人にもらった季節の野菜を一緒に調理したりしている。子どもたち自身が背景を学び、人ごとでなく自分の社会の問題だと気づき、何ができるか考え社会を変える主体として行動している」と話す。

 第2部は、2人のパネリストが加わりそれぞれの活動を報告した。JICA関西国際協力推進員の中嶋悦子さんが青年海外協力隊として2010年1月から2年間派遣されたネパールで社会的に低い地位に置かれている女性たちの自立を促す活動を振り返った。中嶋さんは「本当に支援が必要な人は探し出して、寄り添って課題を見つける必要があることを学んだ」と話す。

 橋本市教育福祉連携推進室の佐藤昌吾さんは、2017年4月に実施した「子どもの生活に関する」実態調査で年収119万円未満の世帯が14.4%を占め、そのうち半数が非正規雇用であること、困った時に相談する相手がいない割合が高いことを報告。結果を受け、行政と市民が協働で子ども支援を開始した。佐藤さんは「橋本市の子ども食堂は利用者を限定せず、交流の場、課題を発見する場となっている。市民のみなさんの協力から学んで持続していきたい」と話す。

 最後は、同センター副理事長の堀内秀雄さんがコーディネーターを務め、登壇者に質問を投げかけた。「どこから手を付けるべきか」の問いかけに、中嶋さんは「自分の立場でやれることをやっていきたい。子どもを社会全体で見守っていければ」と話す。「今後の展開」を聞かれた佐藤さんは「学力をつけて能力を伸ばせるような教育と、自分も相手も大事にすることを学ぶ性教育や命の教育に取り組んでいきたい」と話す。「貧困の連鎖から抜け出すにはどうすべきか」の問いに、谷口さんは「主権者教育が重要。実情や事例を知ると共に社会構造をきちんと学び、政治家に任せるのではなく、投票行動やデモや発表する機会を持つなど思いを表面化することが必要」と話す。

 堀内さんは「共助は公助を豊かにするためのもの。ケアを広げ子どもの話に耳を傾けながら、貧困を連鎖させない、困難を乗り越えていく力をつけよう」と呼び掛ける。

 参加した30代女性の一人は「包丁を使うことや季節の行事など、家庭で誰もが体験できることだと思っていたので、機会すら与えられない実情もあることに驚いた。私が関わっている子ども食堂でも季節の行事などに取り組んでいけたら」と話していた。

※堀内秀雄さんのコメントの一部を訂正しました(2月14日 9:00修正)。

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