さいたま市の見沼田んぼ地域の約2500平方メートルの畑(さいたま市緑区三浦)で11月中旬、子ども向けのサツマイモ収穫体験が行われる。主催は「あきないキッズ実行委員会」。(浦和経済新聞)
昨年のサツマイモ収穫体験の様子
全国的に増え続けている遊休耕作地の活用と、子どもへの農業体験と商売体験として、昨年から始め、今年で2年目。実行委員長の星野邦敏さんは「自分の子どもたちにも、土を触る体験と物を仕入れて売ったり加工して売ったりの商売の体験をさせたいと思った。普段口にしている食べ物がどのように育って実を付けるのかを教えられる親になりたいと思い、畑を借りるだけでなく農業研修にも通っている。サツマイモの収穫体験は私の子どもの頃からさいたま市の小学校の課外授業にもあるし、石焼き芋屋さんは初めての商売の経験としては身近だと思った」と企画の趣旨を話す。
サツマイモの品種は、紅はるか、シルクスイート、すずほっくりの3品種で、それぞれ400本ずつ栽培した。星野さん自身も、さいたま市農業政策課が主催している1年間の農業研修に通った後、現在は埼玉県の「明日の農業担い手育成塾」に2年間通い、農作物の生産について学んでいる。
販売体験は、大宮駅東口の銀座通り商店街の歩行者天国の時間帯でのイベントと、さいたま市内のショッピングモールでのイベントでの出店が決まっている。販売体験では、実際の売り上げから原価を差し引いた利益を計算し、その利益分を関わった子どもたちに親の雑所得という形で現金として実際に分配し、自分たちで稼いだお金の使い道を親子で考えてもらう。
「これからは人口も減少していき、自分で稼ぐことが、より当たり前になっていくと思う。その時の原体験として、自分で物を売ってお金を稼いだことがある経験はきっと生きてくる。例えば、サツマイモの苗は1本40円が相場。それを植えることで、10月~11月に掛けて1本の苗から3~5個のサツマイモが収穫できる。それを焼き芋として売れば100グラム200~300円を相場として1個300~900円で販売できる。販売を経て実際に現金を手にする体験でマネー教育につなげることができれば」とも。
星野さんは「親子でサツマイモを収穫し、親子で焼き芋を販売することで、秋から冬にかけての楽しい思い出の一つになれば」と参加を呼びかける。
サツマイモ収穫体験は11月9日11時~12時30分と14時~15時30分、10日14時~15時30分、17日10時~11時30分と13時~14時30分の全5回を予定。参加は無料だが、持ち帰りは1キロ当たり500円。サツマイモ販売体験は11月23日、12月21日・22日を予定。いずれも親子参加が条件で、子どもの対象は未就学児~中学生。要事前申し込み。申し込みは「あきないキッズ」のホームページから。