下田高校(下田市蓮台寺)茶道部が11月3日、リゾート茶室「満満亭」(南伊豆町手石)でお茶会を開き、地域の人たちをもてなした。(伊豆下田経済新聞)
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同部は一般客にもお茶をたてる機会を提供したいと考え、昨年から校外でのお茶会を開いている。前回、下田市のまち遺産に登録されている「なまこ壁の雑忠」(下田市一丁目)で行われた会が好評だったため、今年は本格的な茶室を会場に選んだ。およそ40人の参加者が集まった。
満満亭は「下田OAシステム」(下田市碁石ケ浜)や「ウインディーネットワーク」(東本郷)などから成るIT企業グループが所有する施設。茶庭では四季折々の山里の趣が感じられ、伊豆石や白砂が風情を醸し出す中庭もあり、非日常の空間が広がる。
近所から訪れた初老の男性は「作法も分からないし、普段着でも良いかと思いながら来た。回覧板でお茶会のことを知り、楽しみにしていた。生徒の皆さんがしっかりとお点前を披露してくれて、抹茶とお菓子をゆっくり味わえた」と満足そうな表情を見せた。
茶道部長の天野日奈乃さんは「普段練習している学校の茶室とは異なる造りで、足さばきや所作に戸惑ったが、今日の出来栄えは10点満点。本格的な茶室でにじり口からの入室も体験でき、多くの地元の人をもてなせて楽しかった」と振り返る。
お菓子は、下田の和菓子店「ロロ黒船」が当日のために用意した生菓子「秋麗」を提供した。同店2代目の山田勧さんは「若い人たちに和の文化を大切に伝えてほしい。茶道部が外でお点前を披露する機会は少ないので、この晴れ舞台を応援できてうれしい」と話す。