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千年以上続く海の祭典「白浜神社例大祭」 縁ある神津島から村長らも参加

  • 2024年11月10日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 2400年の歴史を持つとされる伊豆最古の宮・白浜神社(下田市白浜)最大の祭典「白浜神社例大祭」が10月28日~30日に開かれた。古代神話でつながりのある神津島(東京都)から村長や村議員らも来訪してにぎわった。(伊豆下田経済新聞)

 伊豆七島に向けて7つのかがり火をたく(関連画像15枚)

 下田・白浜地区で千年以上続く伝統祭である同イベント。白浜神社の祭神は伊古奈比?命(いこなひめのみこと)と、後に三島大社の主神となる三島大明神で、初日28日の夜に行われる「火達祭(ひたちさい)」では三島大明神が作ったとされる伊豆七島に向けて7つのかがり火をたき、島々の神に祭典の始まりを告げた。

 今年は三島大明神の后神と長子・次子を祭る神社がある神津島から、前田弘村長と村議員ら6人も祭典に参加。地元住民たちとともに、伝統芸能の白浜太鼓や打ち上げ花火を楽しみ、儀式後の直会(なおらい)と呼ばれる酒宴では白浜神社関係者らと親睦を深めた。

 中日となった29日の早朝には門外不出の神事で、下田市無形文化財の「三番叟(さんばそう)」が奉納された。コロナ禍の間は練習や披露ができず存続が厳しい局面もあった三番叟だが、地域の人々の尽力もあり昨年、奉納を再開。指導者の一人である佐々木雅昭さんは「無事に奉納され安心した。三番叟には何事にも代え難い達成感がある。今後も地元の氏神である白浜神社の歴史を大切にしていきたい」と話す。

 最終日の30日には祭典が完遂されたことを再び伊豆七島の神々に知らせるため、青竹に和紙を付けた御幣(おんべ)を海に流す「御幣流祭(おんべながしさい)」が執り行われた。岩場の上に立つ鳥居から荒れ模様の海面に向け、宮司が御弊を次々に投げ入れ納める神事の様子を多くの人々が浜辺で見守った。夜にはみこしが神社に戻る「宮入り」の儀式が行われ、無事にみこしが収められると参加者全員が三三九度で祭典が無事に終了したことを祝った。

 祭典中は悪天候にもかかわらず、神社を中心にみこしと太鼓台が白浜地区を練り歩き、子どもみこしも元気に巡行した。神社の駐車場には今年も屋台やキッチンカーが立ち並び、訪れた人々の憩いの場となった。

 白浜神社顧問で白浜在住の進士薫輝さんは「将来を担う世代に伝統を伝えることが、地域の結束と発展につながる神社の使命だと確信している」と話す。「雨の中、頑張ってくれた若い衆に感謝している」とも。

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