10代~20代に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」が11月12日、「トレンド大賞2024」を発表した。(シブヤ経済新聞)
「SHIBUYA109 lab.」は、SHIBUYA109(渋谷区道玄坂2)などを運営するSHIBUYA109エンタテイメント(道玄坂1)が取り組む活動。トレンド大賞は、独自のネットワーク「SHIBUYA109 lab. MATE」に所属する高校・大学生10人と共に選定したノミネート一覧を基に、9月~10月に同じく同ネットワークに所属するアラウンド20(15歳~24歳)の女性519人(有効回答数)を対象にウェブでアンケート調査した。
アンケートは、「カフェ・グルメ部門」「アーティスト部門」「ヒト部門」「コンテンツ部門」「SNSミーム部門」 「コトバ部門」「ビューティー部門」「ファッション部門」「体験部門」の9部門で実施した。
「カフェ・グルメ部門」では、ヘルシーさと鮮やかな見た目などから注目を集めた「アサイーボール」(1位)や、コロナ禍に見られた自宅でできるアレンジグルメの延長として「ミスタードーナツ」(2位)のドーナツをアレンジした「焼きポン・デ・リング」などが上位にランクイン。
「コンテンツ部門」はキャラクターコンテンツへの注目が高く、バッグなどに付けられるファッション性などから「たまごっち」(1位)、韓国カルチャー好きの女性から火が付いたというアーティスト・エスターキムさんがデザインしたうさぎのキャラクター「エスターバニー」(2位)、今年50周年を迎えたハローキティ(4位)などが人気を博した。
SNSで生まれるミーム(ネット上で模倣・改変され広がる現象)「SNSミーム部門」は、猫の動画素材を使って日常生活などを表現した「猫ミーム」(1位)をはじめ、風呂(シャワー)に入らない「風呂キャンセル界隈(かいわい)」(2位)、楽曲に合わせて回転する「回転界隈」(4位)など「特定のかいわいで共感できることを楽しむ傾向」が見られた。
SNSをきっかけに広がり日常生活でも使われた言葉となる「コトバ部門」では、ヒップホップユニット「KOMOREBI」の楽曲に出てくるフレーズ「ギリハッピー」(1位)、動画がきっかけに広がり言葉が音楽とリミックスされダンス動画が投稿されるなどしている「おい、笑える」(2位)、ドラマのせりふで「それガチ?ほんとごめん」という意味の「それガーチャー!ほんまごめんやで」(3位)などがランクインしている。
好きな世界観に合わせたアイテムを好む「ファッション部門」では、バレエ要素のあるアイテムでピンクや白系でまとめる「バレエコア」(1位)など、さまざまなかいわいで「〇〇コアファッション」が注目。2022年から継続して流行の「Y2Kスタイル」は、三日月形のバッグ「ホーボーバッグ」(2位)にぬいぐるみやキーホルダーなどでアレンジする姿が見られた。
Y2Kの流行からかデジタルカメラが「体験部門」の1位にランクイン。同部門では、シルバーを基調としたエレベーター風の内装のフォトスタジオや写真機で撮る「エレベータープリ」が2位で、写真や動画は「上から撮影」がトレンドとなった。「〇〇展」やブランドのポップアップ企画も多く、「没入感のある体験」にも注目が集まったという。
同ラボの長田麻衣所長は「ウェルビーイングを模索するトレンドが特徴的だった」と総評。昨年新型コロナが5類に引き下げられ、外出やコミュニケーションが増えた「その反動にやや疲れを感じていたこと」を背景に、「『リフレッシュ・ヘルシー・デトックス』という気分転換や自分を労わるキーワードや、『無理しない・ポジティブ』などの頑張りすぎず前向きなマインドを取り入れたいという意識が見て取れるキーワードが見られている」とコメントする。