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年内閉館の仙台「福島美術館」で最後の展示 幸せ願う「めでた掛け」でお別れ

  • 2018年12月7日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 建物の取り壊しが決まっている福島美術館(仙台市若林区土樋、TEL 022-266-1535)で12月4日、最後の展示会「幸せ願う・めでた掛け」が始まった。(仙台経済新聞)

 長寿と一家繁栄のシンボルとして描かれた狩野古信「郭子儀唐子図」

 福島美術館は社会福祉法人共生福祉会(太白区袋原5)が1980(昭和55)年に開いた私設美術館。創設した仙台の実業家・福島禎蔵の祖父から3代にわたり集めた、書・絵画・工芸品・古書籍など約3000点の美術工芸品を収蔵している。

 建物の老朽化、東日本大震災で生じた雨漏りの再発の影響による壁面などの劣化が著しいため、大規模修繕が難しいとの判断から閉館を決定。12月22日で展示会事業を終了し、2019年度内に解体する。

 休館を前に、「福島禎蔵が愛し遺(のこ)したコレクション」と題し、今年4月から第8期に分けて展覧会を展開。最後の展示には、1981(昭和56)年から毎年正月に開いてきた展覧会「めでた掛け」を選んだ。

 初代学芸員・佐藤明さんの「おめでたい掛軸をみんなで見て、新年のお祝いを」という思いから始まった同展。その遺志を歴代の学芸員が受け継ぎ、学芸員自身が楽しむことをモットーに、毎年テーマを変えて自由な発想で企画してきた。

 今回は「新春」「笑顔」をキーワードに、掛け軸や工芸品など約60点を展示。主な展示作品は、伊達綱宗「弁財天牡丹(ぼたん)図」、中林梧竹「朱画達磨(だるま)」、佐久間晴嶽「七富図」、東東洋「鶴に旭日」、渓斎英泉「七福神」など。

 床の間を再現した展示では、狩野古信「郭子儀唐子図(かくしぎからこず)」を紹介。同館学芸員の尾暮まゆみさんは「郭子儀は中国・唐代に安禄山の乱で活躍した名将で、長寿と一家繁栄のシンボルとして、孫に囲まれ慕われる姿が盛んに描かれている。たくさんの孫たちに囲まれる郭子儀は、たくさんのコレクションに囲まれる設立者の福島禎蔵さん自身のように見える」と話す。

 同館最後の展示に、県内をはじめ遠く関西、九州など県外からも来館者が訪れている。「『めでた掛け』は新春一番の展示会としてたくさんの方に親しまれ、毎年必ず来るというお客さまもいらっしゃった」と振り返る尾暮さん。「幸せを願う内容で毎年開催してきた『めでた掛け』は、福島美術館らしい最終展示だと思う。多くの方にお楽しみいただければ」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は9時~16時30分。日曜・月曜休館。入館料は、一般=400円、学生・70歳以上=300円、高校生以下・障がい者無料。今月22日まで。21日・22日は学芸員によるギャラリートークを予定する。

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