電動キックボードシェアリング「TOCKLE(トックル)」の実証実験が9月8日、佐賀市で始まった。(佐賀経済新聞)
「佐賀駅北第二自転車駐輪場」に設置された電動キックボードシェアリング「TOCKLE」
電動キックボードのシェアリングサービスは2017年にアメリカでサービスが始まり、世界各国で普及が進んだ電動2輪の小型モビリティー。国内では実証実験を経て、2021年に「LUUP(ループ)」(東京都渋谷区)がサービス開始。九州では同年から昨年にかけて、福岡市や大分県別府市などで実証実験が行われ、今年3月から福岡市で「LUUP」がサービス提供を始めた。
県内初となる佐賀市での実証実験は、佐賀市、佐賀市観光協会、佐賀バルーナーズ、西尾レントオール(大阪市中央区)、BRJ(東京都港区)の5者で構成する「佐賀市小型モビリティ推進プラットフォーム」が実施。BRJが展開する電動キックボードシェアリング「TOCKLE」のサービスを提供する。
実験では、佐賀駅近くの観光案内拠点「SAGAMADO(サガマド)」と「佐賀駅北第二自転車駐輪場」に合計10台の電動キックボードを設置。利用は16歳以上が対象で、スマートフォンアプリへの登録が必要。佐賀市中心部の東・西・南環状線と、SAGAサンライズパークを含む城北通りを囲むエリア(佐賀駅から半径2~3キロ)でサービスを提供する。利用料金は30分ごとに300円。1時間500円、3時間1,000円のパック料金も用意する。また、SAGAMADOでヘルメットの無料貸し出しを行う。
佐賀市には昨年5月、佐賀駅から北に1.5キロの距離に多目的アリーナ「SAGAアリーナ」が開業。これまでに県内外から多くの人が訪れるスポーツイベントやライブイベントなどが開催され、9月~10月には、国民スポーツ大会や全国障害者スポーツ大会のメイン会場として多くの来場が見込まれている。佐賀市は、SAGAアリーナが所在するSAGAサンライズパークへのバスを週末中心に増便し、大型イベント開催時には臨時便を出すなどで対応。ほかにも、今年5月にはシェアサイクルサービスを展開する「neuet」(福岡市中央区)と連携協定を締結し、シェアサイクル「Charichari(チャリチャリ)」のサービスを始めるなど、公共交通機関を補完する移動手段の確保を図っている。今回の電動キックボードシェアリングの実証実験はこの一環で、移動手段の多様化と経路選択の自由度を高め、域内の回遊性を向上させ、SAGAアリーナ来場による人の流れを中心市街地などにも広げ、経済波及効果の拡大を目指すという。
実証実験は12月8日まで。