長崎県環境整備事業協同組合が9月9日、野母崎小学校(長崎市野母町)で環境授業を行った。(長崎経済新聞)
校庭での集合写真
長崎県内のし尿回収やごみ収集などに携わる一般廃棄物収集運搬事業者39社が所属する同組合。これまで、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的に活動を行ってきた。
環境授業は、SDGs取り組み事業の一環として「未来を担う子どもたちに温暖化や海ごみ問題などを知ってもらうと同時に、社会を支える一般廃棄物収集運搬事業者の仕事を知ってもらおう」と昨年スタート。五島市での開催に続き、今回が2回目となる。
当日は野母崎地区を中心に清掃活動を行ってきた「team長崎シー・クリーン」も協力し、5年の児童9人とその保護者が授業に参加。同組合副理事で環境保護活動にも取り組む鵜瀬守さんが「うんこ先生」に扮(ふん)して登場。「二酸化炭素は地球にとって布団のようなもの。多すぎても少なすぎても良くないが、現在は多すぎて地球の平均気温が1.5度ほど上昇し、海面上昇などの問題が起きている」と説明。「あなたが主役」と書かれたたすきを身に着けたうんこ先生は「あなたたち一人一人が主役。思ったことや感じたことなど、いろいろな意見を言ってもらいたい」と訴えた。その後、「一人一人ができるエコへの取り組み」を考え、葉っぱのふせんに貼って「エコツリー」を完成させた。電気や水道を使う際にも二酸化炭素が発生していることから、普段捨てているものを再利用する取り組みとして、廃油を使ったキャンドル作りのワークショップも行った。
校庭では4年の児童20人がごみ収集車にごみを入れたり、普段は焼却場でしか開ないハッチを開けて集めたごみを出したりする様子などを見学。5年の児童らも合流し、記念撮影を行った。
後半の授業では海ごみ問題をテーマに学校近くの海岸から採取した砂からマイクロプラスチックを探すワークショップを行った。班に分かれてふるいを使い、砂の中のごみを仕分けた児童らは石などの粒に交じるプラスチック片を採取。それぞれが採取したサンプルを見比べた。何気なく見ているスコップ一杯ほどの砂から多くのプラスチック片が見つかったことに驚く声も聞かれた。
海ごみの実態を知った児童らはプラスチック製品について身近にできることや将来実践できるかもしれないことを考えてふせんに書き出し、親子で発表。「エコバッグや水筒などを利用するようにしたい」などの意見のほか、「プラスチックのリサイクルや分解できる技術を生み出したい」といった目標も聞かれた。付箋を貼り出して「エコサンゴツリー」を完成させ、記念撮影を行った。
同団体副理事で、野母崎地区で清掃業を営む向井秀樹さんは「環境問題を知ってもらうと同時にみんなの生活を支える私たちの仕事を知ってもらうきっかけになれば。今後も各地の学校などで取り組みを続けていきたい」と意気込む。