「ヤギのいる農園りもねん」(長崎市蚊焼町)が現在、開業に向けて準備を進めている。(長崎経済新聞)
草を食べて除草に一役買うヤギたち
同園は矢野駿平さんが「増加する遊休農地を活用して持続可能な農業を実現することで高齢化と過疎化が進む地域社会の新たな活力にしたい」と立ち上げを決めた。長崎市出身の矢野さんは大学進学を機に地元を離れ福岡市内の企業に就職していたが、26歳で長崎にUターン。8年ほど前から川原町で祖父母が営んできたビワ農園を引き継ぎ、兼業農家として農業に携わりながら、地域活性化を目的に活動するNPO法人「長崎アイランズアクト3」にも所属。昨年10月に荒地問題解消に向け、「ふれあいヤギ牧場」を活動拠点に地域の自然を生かした持続可能な農業を実現し、地域コミュニティーや農業を活性化と環境保護に向けてた団体「りもねん」を同志と共に立ち上げていた。
開園に向けて準備を進めているのは蚊焼町の遊休農地となっている場所。7年ほど前にヤギ2頭を飼い始め、現在は5頭を飼育する矢野さんは同所に柵を設置し、先月からヤギを放牧。草を食べるヤギを放つことで機械を使わず、排ガスなどを伴わない除草を行うことで環境に配慮しつつ、ふんを堆肥として活用するサステナブルな農業を目指す。
今年3月に長崎市南部に適した作物として選んだレモンの作付けを行い、同地区の新たな特産品とすることを目指すと同時に、今後はヤギ小屋や移動式カフェなどを設置し、地域住民や観光に来た人が気軽に立ち寄れ、ヤギとの触れ合いが楽しめる観光農園を目指す。
11月下旬のオープンを目指す同園。クラウドファンディングでは開設に必要な120万円を目標に協力を呼びかけている。矢野さんは「耕作放棄地を利用しやすくすることで次世代につなぐだけでなく、地域コミュニティーの場にもしていきたい」と支援を呼びかける。
クラウドファンディングは9月30日まで。