盛岡市民が調査員となり市内に生息する生物や植物の情報を報告する「もりおかいきもの調査」の秋版が9月9日から始まった。(盛岡経済新聞)
盛岡市では2023年度~2025年度の3年間で市内の自然環境調査を行っている。市域の生物の生息状況を調査し、2027年度以降の自然環境保全計画に役立てる。その一環として4月から「もりおかいきもの調査」を開始。季節ごとに対象となる生物を設定し、市民は生物を見かけた場所などを報告する。集まった情報は保全計画を立てるための資料として活用する。
秋の調査対象は、オオハンゴウソウ、アレチウリ、オオキンケイギク、アワダチソウの仲間(セイタカアワダチソウ、オオアワダチソウ)、ブタクサの仲間(オオブタクサ、ブタクサ)、アメリカザリガニ、アカミミガメ、カマキリ類の9種類。今回は「外来植物を探そう」をテーマに、市内でも年々分布を広げている外来植物を中心に、生物に興味がある人にも参加してもらおうと秋を代表する昆虫類のカマキリなども加えた。
調査は環境部ウェブサイト「ecoもりおか」内の専用フォームから、見つけた場所と日付、見つけた時の状況や環境を報告。写真が撮影できた場合は3枚まで添付できる。チラシやウェブサイトでは調査対象の写真とよく見かける場所、見分け方などの特徴も紹介している。
調査対象には特定外来種や生態系被害防止外来種、条件付き特定外来種に指定されているものも含まれている。市のウェブサイトでは、特定外来生物のオオハンゴウソウとオオキンケイギクについて注意を呼びかけ、駆除の方法も紹介している。
調査を担当する市環境企画課の稲葉千晶さんは「外来植物は思ったより身近な環境で見つかることが多い。花がきれいな植物もあるので、『きれいだな』と何気なく見逃してしまうこともあると思う」と話す。8月に行った子ども向けのワークショップで中央公園から近隣の河川敷まで歩くと、多くの外来種が見つかったという。
稲葉さんは「調査の背景には市民の皆さんに自然と触れ合ってほしいという思いもある。涼しくなり、散歩などで歩く機会も増えてくると思うので、公園や川の近くを歩くときには植物に注目してもらいたい。カマキリについても見かけたら積極的に報告してほしい」と呼びかける。
秋版の調査は11月30日まで。